昨年のこの季節, 6"カセグレンで初めてシリウスの伴星, シリウスB, が撮れた. 春が近づいて山陰の冬空も終わり, 宵の口におおいぬ座が南中してるのを見るとシリウス・チャレンジの季節. (ホントは11月ごろの明け方の方が良いかも知れないが, その季節は仕事に忙殺されがちかもTT)
先日の夜坐の会は晴天に恵まれて, 参加した皆さんにMAK127で上弦に向かって太りつつある月(月面グーがよく見えました)やオリオン大星雲を見ていただいた.
その後いくつか二重星を見てみたら, この季節としてはブッチギリの好シーイングだったので, シリウス・チャレンジに走り...
これはGS150CC(6インチ純カセグレン)の直焦点で撮ったもの. 眼視でも初めてシリウスBが確認できた.
マクストフは像のコントラストが高くて惑星などはすごくよく見えるという評価なので, ひと回り大きい純カセよりよく見えたらドウシヨウ(笑)という変な心配をしてた. 結果は, MAK127は星像は一見きれいに丸くなっているのだが, 回折環が明るくて伴星はどうしても見えなかった. GS150CCでは, MAKと比べて星像はざわつくしスパイダの回折像があるが, シーイングが落ち着くとギラギラした主星の東北にBがちょこんと光って見えた. 眼視でBを確認したのは初めて:-)
ということで, 6インチ純カセ(GS150CC) vs 5インチマクカセ(MAK127)はコストと取り回しの手間, 口径に相応して6インチの勝ちとなり, ホッとしたりする(笑)
昨年はバーローで拡大撮影したが, サイズを計算すると直焦点でも行けそうなので, ASI385MCで直焦点撮影した. シリウスはBがとても暗いので露出を上げて(ASICapで300ms, gain 240くらい)主星のハレーションにBが飲み込まれる寸前のところにして撮るのがコツらしい. 主星像が暴れているとBが全く見えないので, 動画ではなくPNGで1000コマくらいとって, Bが見えてるコマだけ選別してからスタックした.
Bの像はとても微かなので確認のため主星中心からの距離をピクセル数で測ってみると25pix, f=1830mmでピクセルサイズ3.75μmなので, 視角はatan(3.75/1830e3)*180/pi*3600*25=10.5". あってました!
GS150CC vs MAK127の比較のため, もっと見えやすいリゲルを両者で撮影してみた. やはりGS150CCの方がよく分解されて写った. リゲルを見た時はかなり西に低くなっていたが(電線にかかるくらい), それでも楽勝で伴星は見えた. 西から高気圧に覆われていたので大気はとても安定してたんでしょう.
【了】