笠井さんのED屈折用0.8倍レデューサは, 純カセグレンのGS150CCと組み合わせるとF値を12→9.6と明るくしつつフルサイズ(!)センサの周辺像を改善するらしい.
0.6xはどうだろう? F7の屈折系では, APS-Cサイズだと周辺像がムリ, ASI533MCの1インチ正方形センサで何とか使えるくらいだったが, 上の記事で0.8xレデューサで(フルサイズで使えそうな)良い結果が出ている長焦点のカセグレン系なら, 0.6xでもう少し明るくしてもAPS-Cくらいならいけるかも知れない.
F12の純カセやマクカセならばF7.2まで明るくできるし, F10のシュミカセならF6(!)で純正のF6.3レデューサより少し明るくなる? (実際は↓そこまでじゃなかったが)
細いバッフルを通してのぞくカセグレン系で強いレデューサを使う場合に気になるのは周辺減光やケラレ.
ということで, とりあえず星じゃなく地上の景色をAPS-Cサイズで撮影し, Celestron C5 (12.7cmシュミカセ), SkyWatcher MAK150 (15cmマクカセ), 笠井GS150CC (15cm純カセ)と笠井0.6xレデューサの組み合わせを試してみた.
レデューサは笠井の旧型(カメラ側T2接続)で, T2-FXアダプタでFujifilm X-T20に接続した. レデューサなしの直焦点のケースは2インチ-T2アダプタ, T2延長筒(15mm), T2-FXアダプタ, X-T20と接続した.
GS150CCはこれまでのところ眼視(天頂鏡使用)でも惑星写真(3xバーロー使用)でも接眼部の大径(M90)延長筒を25+50=75mm使っているが, 0.6xレデューサを使ってフォーカスを得るには25mmに減らす必要があった. この鏡筒はクレイフォードフォーカサでストロークが少ないから, 延長筒で調整するようになっている.
露出はオートなので超適当で, コントラストの厳密な比較はできないが, C5の周辺減光が顕著なこと, GS150CCの周辺減光が少ないのが明らかと思われる.
MAK150とGS150CCの接眼部は元々2インチで, バッフルチューブの内径は30mm以上ある. GS150CCの方が少し大きいかも. C5も接眼を2インチ化しているが元々1.25インチ仕様でバッフルチューブは内径25mmと小さい. これが影響しているのだろうか?
また, 以前作った15cmカセグレン用のDIYレデューサ(0.7x)では横の端がケラれていたのに対して, 今回はケラレがないのが良い.
レデューサの倍率を実写のピクセル数の比で測ってみたら次の通り.
鏡筒 | F値, 焦点距離 |
レデューサ倍率 |
レデューサ使用時のF値と焦点距離 |
---|---|---|---|
C5 | F10, 1250mm | 0.69x | F6.9, 860mm |
MAK150 | F12, 1800mm | 0.68x | F8.2, 1230mm |
GS150CC | F12, 1830mm | 0.60x | F7.2, 1100mm |
なぜか, シュミカセ & マクカセは純カセと比べて倍率が弱くなっている. 純カセがレデューサと同じ笠井さんのだったりもするが, シュミカセ & マクカセはフォーカシングが主鏡移動なので, バックフォーカスによって主鏡位置つまり光学系の変動があって倍率が変わるのかも...
星がどう写るかは撮ってみなければ分からないが, GS150CC+0.6xRDは1100mm F7.2で周辺減光が少ないということは, 小さくて明るいモノたち(銀河, 惑星状星雲, 球状星団)を撮るのに戦力になるかも♪♫ R200SSよりは風に強いだろうし.
しばらく筒内気流とかサイズとか可搬性でMAK150に出番を奪われがちだったGS150CCが復権か!?
【了】