幸い月の細い時期に天気の良さそうな所へ出かける機会もあったりして, 何度か彗星を撮影した.
この彗星は宵の口の1時間ばかり西の低空に現れるので, その時間に西の空が晴れて透明度が良いという条件が満たされたレアなチャンスに, 西の空が地平線近くまで見える場所に来い!というなかなか要求の多い相手だが, 逆に夕方ちょろっとでかけて撮って帰るというお手軽撮影の対象とも言える(笑)
奥出雲町のさくらおろち湖を見下ろす丘の上に広場がある. そこで撮影したコマの中に, 彗星を流れ星が串刺しにしている奇跡の1コマがあった@@
普通に彗星核を基準に平均化するスタックでは流星像は弱くなるので, それに流星像を追加でスタックしてみた. (GimpでLayerとして読み込み, トーン調整して流星の近くだけ切り抜いて手動で位置調整してlight onlyで重ねるワザ)
引っ越していった子の車を運ぶという用事で本州最南端に行ったとき, 暴風雨の翌日に快晴で凪というチャンスがあった. その地域では珍しく風が止んだのでひ弱なスカイメモでもOKだった. 彗星の他に水星も見えたし彗星撮影中にスターリンクの行列も見えたという, これも奇跡の一夜.
再び神西湖親水公園で.
月がだいぶ太って上弦を越えていたが, 夕方快晴で山の稜線がくっきり見えるくらいの透明度だったので出撃. 10cm+0.6x RD(f=約430mm)でクローズアップしてみた. 彗星を捉えられたのがかなり低くなってからであまり良くは写らなかったが...
ちなみにこの時, 初めての「彗星核ガイド」をやってみた. 彗星は動くので露出を短時間にして, スタックのとき彗星核を止めて背景の星を流すようにするが, それでも焦点距離が長くなると1コマの中でも彗星像が流れるようになり露出をかけられなくなる. 彗星核をガイド星に使えば, 1コマの露出時間を増やしても彗星像を止めることができる. このケースではf=714mm x 0.6 = 約430mmで, 赤道儀も頼りになるSX2が使えたので試してみた.
ガイドスコープで彗星核が入ることが必要なので, 事前に地上の景色などで主鏡, ファインダー, ガイド鏡の全ての光軸を合わせておく. だんだん暗くなって彗星が捉えられたとき, ガイド鏡のモニタ画面でも他の星と違うボケた像が見えたので, それを使って, 複数の星を使うオプションはOFFにした. 露出30sでは普通のガイドとあまり違わないが, 1分もかけるとかなり違いが出るのではと思う. 次の機会に期待.
また, 笠井0.6xレデューサ(現行のII型じゃない旧型(中古品))を使ってみたのもこの時が初めて. T2接続なので取りあえずT2の原則のバックフォーカス55mmを考え, レデューサ後端からセンサまでの距離を35mm延長筒で調整してバックフォーカス52.5mmにしてみた. 彗星写真は背景の星が流れているので分からないが, テストとして撮ってみた下のM42では四隅の星像に矢印形の収差が見られる. バックフォーカスの最適化をやらないと...
元のサイズで中央と四隅を切り出したもの↓
102SED (F7)に0.6xでF4.2(!)となるのは魅力的だが, 強いレデューサは癖も強そう. このレデューサはAPS-Cサイズで良いという評判とイマイチという評判の両方がある. より小さなASI533なら適当でOKだろうと思ったが, 少しまじめに調整する必要がありそう. バックフォーカスを短めにするとFは暗くなるが周辺像は良くなるかも知れない. 別の0.8xレデューサ(F7→5.6)ではAPS-CでOKなことが確認済なので, 0.7x以下でF4.9より明るければ使う意味がある.
月明かりの下の神西湖畔.
準備中の夕日:-)
月が大きくなって次の週末は満月, 月末には下弦になる. 彗星は夕方の西の空を移動し続け, 4月上旬までは同じように宵の口に見られそう. 4等台まで明るくなるようだが, 肉眼で見えるだろうか?
ZZzz..