春から始まって夏も終わろうとしている今日この頃だが, 新型コロナの流行はやはりすっきりと収まるような気配は現れず, 当分こんな状況が続く感じ. 報道では1日あたりの感染者数とか死者数を延々と流しているが, これでは今が感染流行の始まり〜終わりのどの段階にいるのかが見えない.
札幌医大のWebサイトで, 「トラジェクトリー解析」というのをグラフで表示するものがある.
例えば国別で, 人口百万人あたりの「7日間の死者数」(ある時点の増加)と「累計の死者数」(始まってからの合計)について,
X軸: 累計の死者数
Y軸: 7日間の死者数/累計の死者数
としてグラフを描くと, これは感染が拡大しているときには右上がり, 終息してくると右下がりになり, 流行の始まり〜終わりまでがひとつの山をつくる.
こういうのを感染症の流行状況についてのトラジェクトリー(trajectory: 弾道, 軌道, 軌跡)というらしい.
札幌医大のサイトでは, 感染者数や死者数をWHOのデータに基づいていろいろなグラフで表示できるようになっている. 国別, 都道府県別なども選択できる.
これ↓は国別の死者数のトラジェクトリーを表示する.
さっき描画してみた例のスクリーンショットがこんな感じ.
流行が激しいほど山のピークが右上に行く. 日本や韓国のグラフはこの表示では左下の方でピークを過ぎて落ちていて, 一旦落ちた後でまた上がっている.
英仏伊がいちばん右側で下がっている. 米は少し下の茶色でピークは過ぎたがまだガタガタしている感じ. 黄色と黄緑のブラジル, メキシコは今ゆるいピークが続いていてまだ落ちる気配になっていない.
ちなみに, この「死者数」には, 実際の死因が別の持病等でも, PCR検査陽性など新型コロナ感染が疑われる場合には新型コロナによる死者にカウントするという操作が行われている(厚労省の指示によって)ものなので, 実際より多くカウントされている可能性が高い. 「感染者数」は(論議の多い)PCR検査の陽性者数なので, 実際の感染を現していない可能性が高いし, PCR検査の実施数によって変動するなど, 検査施設の容量や政策で操作される可能性もある.
マスコミの垂れ流す一日あたりの感染者という分かりやすく刹那的な数値に一喜一憂するのもみんな疲れたし, 客商売の業種では感染より経営の打撃のほうがよほど深刻, さらにはPCR陽性や感染の人に対する社会的被害(個人情報を流出するなど)は, ウィルスよりも人間の心の闇の恐ろしさを暴露しているのではないかと思う.
日本で肺炎で死ぬ人は最近は年間12万で, ガン(37万)と心疾患(20万)についで死因の3位を占めるという. (2016年統計)↓↓ (脳疾患も同じくらいらしい)
これに対して, 今年新型コロナ感染症の死亡数は累計1299人(8/31).↓↓
インフルエンザによる毎シーズンの死亡者も1000人オーダーで同じくらい.↓↓↓
「死」の全体を見ると, 日本の最近の年間死亡数は130万くらい.
そろそろ新型コロナに対するヒステリックな対応はやめたら良いと思う.
統計を探していたら, 行政書士の方によるこんな記事(4月の記事ですが...)も見つけた.↓↓
「リスク」という言葉は日々いろいろな意味で乱用されるが, ちゃんと定義すると(確率や頻度)x(影響の大きさ)ということになっている. これは利害をバランスよく判断するための比較の指標として役立つ.
ひとりの人の死亡という「影響」を個人的・感情的にとらえると(生命の重さは∞とか), 新型コロナ感染症は悪化すれば死亡することが目に見える形で示された時点で怖い病気, 何とかしなければ...となるのかもしれない.
しかし統計(「頻度」)を見れば, 今の新型コロナパンデミックというのはPCR検査結果というトリッキーな情報, マスコミによるセンセーショナルな危機感の流布, 政府批判のネタを探す批判者とそれを交わすために何かしようとする政府...みたいな社会構造によって引き起こされた過剰反応ではないか?
来年になれば, 2020年の人口動態の統計が出る. その数値は世界が大騒ぎした「新型コロナパンデミック」をどう映し出すのだろうか?
