11/7 14:00〜, 世界平和統一家庭連合(家庭連合)の会長による記者会見が教会の本部で開かれた.
教会のYoutube公式チャンネルで記者会見の動画が公開されていた.
「吊りしのぶ」さんのブログでも内容をまとめて下さっている.
田中会長と改革本部長の勅使河原(てしがわら)氏による説明の後の質疑応答で, ある記者が今回の会見が教会本部のそう大きくない礼拝堂で, 招待されたメディアだけで開かれた理由(なぜもっと大きな会場でオープンでしないのか)を質問していた. 以前ホテルでオープンで開催したときに暴動のような状態が発生してホテル側に迷惑をかけることになり, そのホテルはもう使えなくなったという事情を説明していた.
家庭連合は, 昨年7月の安倍元首相暗殺事件の直後から, 予想もしない犯人の供述(の警察によるリーク)から, 犯人以上の悪者扱いにされてきた. 犯人はそもそも家庭連合のトップの暗殺を企てていたのであり, 犯人の影響を受けた潜在的テロリストがいるとすれば, 家庭連合幹部を狙っている可能性もある. メディアを自称する過激な活動家がオープンな会見に紛れ込んで危害を加えない保証はどこにもない.
某記者には「小さな会場」で「制限された入場者」という目に見える状況から, 「隠蔽体質」とか「逃げの姿勢」という「内幕」が勝手に想像されて, それを追求したいと思ったのかもしれない. 結局, 人は他人を見る時に「自分の心」の色のついた「自分の眼」でしか見られないのだと思う.
新宗教に対する嫌悪感や偏見, 霊性など目に見えない事柄の価値を主張することを詐欺のようにしか捉えない態度などは, 自分と異なる価値観の存在を認めようとしない批判者の偏狭な眼をそのまま映しているにすぎない.
「被害者」とか「謝罪」という言葉を使いたい(家庭連合が悪者認定を受け入れたことにしたい?)メディアに対しては, 田中会長は「被害」の実態が明らかになっていないことに対して一律に被害を認め謝罪することはできないと突っぱねた感じだった.
一方で, 600ケース以上という被害相談に対しては個別の事情を調べ明らかにした上で返金やお詫びをしているという. 多くは献金を勧誘し受け取る側の教会スタッフと献金者との間の言葉のやりとりや態度で誤解や不快感をもたらしたことが原因らしい. あるいは, 献金した後で家庭事情が変わり(夫が急死して困窮したなど), 献金の返還を求められたものもあるという.
家庭連合を潰そうとする勢力の主張は, 霊性や信仰に基づく献金や費用そのものを「詐欺」扱いして, 教会に関わる活動で出したお金全てを「被害額」にしたいようだ.
田中会長の話からは, 信仰に関わる人々の微妙な感情や事情, 家庭や社会の状況の変化による心の揺らぎなど, 生身の人の姿と心が垣間見えたような気がする.
それから, 勅使河原氏の説明で, 現在は1回で10万円以上の献金を受け取る際には献金者の家計に悪影響を与えたり家族の反対等がないことを確認して受領書を出すことにしているという. これは, 新法の規定に関わる対策と思われる. 家庭連合がこれをやっているということは, 他の宗教法人もこうしなければならないということではないか!? やってるところあるんだろうか?? 甚だ疑問.
ある記者の質問で, 信者がこの期間に受けてきた差別の被害について触れていた. これに対する田中会長の回答には, 凄惨なできごとが列挙された:
- メディアで報道された写真の中に写っていたために会社を辞めさせられた青年
- 韓国の教会関係の大学を出た学生が就職の内定を取り消された
- 学校の社会科教師が授業で家庭連合の誹謗を延々と話し子供がストレスで学校へ行けなくなった
- 学校のテストの問題で解答が家庭連合の批判になるようなものが出された
- メディアの報道で過度のストレスを受けた青年が自殺未遂したケース, 自殺したケース
- 妻が夫から離婚するか信仰を棄てるかと迫られ, 離婚に至ったケース, 身の安全のため警察に逃げ込んだケース
- 所持品を親族に処分された
- 家庭連合の職員が住んでいたマンションの契約を打ち切られ引越し先を探すのも困難
- 病院で家庭連合と職場名の入った保険証を出したら受診を断られた
- 教会や信徒の経営する企業が不動産契約を断られた
- 公共施設の使用を断られた
- 銀行取引を止められた
- 本部教会で式典で使う花や仕出し弁当の購入を断られた
- 有名自動車メーカーが家庭連合への車の販売を禁止し車が買えなくなった
- 教会施設への落書き, 街宣車による公的集会の妨害
- 教会への嫌がらせ電話, 脅迫電話, 殺人予告, 不審物の送付は2万個を越えた
- 奉仕活動を拒否された, 長年花壇づくりをしてきた子供たちまで排斥され, 子供たちは泣きながら植えた花を抜いて帰った
「家庭連合の信仰を持っているということだけで『2等市民』であるかのような扱いを受けている行政もある」と...
「自殺」が起こってしまったことには本当に胸が傷む. 宗教を信じている人が皆心が強いとか, 弱いとかいうことは無い. 信者の家庭にも強靭なメンタルの人もいれば問題を抱える人もいるのは一般社会と同じである. その中の弱点をこういう社会状況は残酷に攻撃する. 現代社会では魔女だと言って火炙りにされることはないかもしれないが, それでも魔女狩りは人の命を奪ってゆくのか... と嘆きたくなる. しかし一方で, 人の生死は深いところでは人の行動によって左右されるものではない. と, これまでに立ち会った身近な人たちの死を通じて心に納得している. せめて, この騒動の渦中で他界された信者の冥福を祈る.
マスメディアの報道を真に受けてしまって「正義感」から攻撃的な行動に出る人たちもいるんだろうとは思う. 日本の中に渦巻く不満が, メディアによって「いじめても良い」「悪者」のレッテルを貼られた存在に向かって暴走してゆく. 日本社会に巣食う闇だ.
安倍元首相の暗殺も, 犯人が行動を起こすまでには, コロナ禍の中での社会の閉塞と分断, 偏向メディアと接することによる不満と自己正当化の増幅といった過程があったのではないか?
この1年余り, 家庭連合の少なくとも本部の宗教活動は, 文科省による「いじめ」じみた質問権行使への対応の他に多数の苦情や被害相談への対応に忙殺され, 本来の活動などほとんどできなかったのではないかと思われる.
その状況下で, 正気を保って各方面への対応をこなし, とくに被害を訴える元&現役信者に対して個々の事情に触れて心を遣ってきたという田中会長の精神的・知的キャパシティには尊敬を感じざるを得ない.
以前UPFの会合でお会いした時から冷静な感じの人だという印象を持っていたが, この騒動にこういう感じで淡々と真摯な対応ができるのは, もしかしたらこの人しかいないのではないかとも思われる.
こういう綱渡り的な状況で, どうやってできているのか分からないが何とか組織や人が動いているのを見る時, この団体に神様いるのかな?と感じたりする.
未だ予断は許されない状況ではあるが...
=祈=