ちまたで銘玉と言われるNikkor 105mm F2.5Sは, 20世紀に作られたEDでも非球面でもないレンズだが, 1971年に設計(前機種から設計変更)されてから30年も同じ設計で作られ続けた中望遠レンズのベストセラーとのこと. イマドキのレンズ(ズーム)と比較しても圧倒的な解像度を誇るらしい.
数年前から使っているAi Nikkor 135mm F2.8と比較してみた.
105mm F2.5は「ニッコール千夜一夜物語」でも取り上げられているが, 特徴的な前玉の分厚いレンズがあって, それが重量に効いているのかもしれない. レンズ設計が趣味の知人に見せたら, 何故そんなに厚いレンズが使われているのか分からないが余程の理由があってそうしてるんだろう, と言う. 像面の平坦性や歪曲の少なさ, 周辺光量の豊富さなどはその「理由」なのかもしれない.
スバルと周辺を撮って実写比較してみた.
まず, 開放のF2.8, F2.5で.
星で常用するF4に絞った場合.
比較すると, 105mmは135mmに比べて周辺減光が少ない. 開放では周辺で逆コマ収差が出ているが, 105mmの方が周辺の星像は若干小さい. F4に絞ると逆コマはかなり改善されてはいる. そこでも105mmの方が周辺の星像がコンパクト. 色収差は開放ではともに青ハロが目立っているがF4に絞るとほとんど目立たない.
この2本のレンズ, 焦点距離は30%ほどの違いで両方はいらない. どっちを残すかと言えば, 105mmかなぁ. 135mmは40年近く前にハレー彗星を撮った思い出の型でもあるし, 魅力的な大きな目はなかなか捨てがたいが....
【了】