富士フィルムの標準ズームレンズはとても良く写るが, ひとつだけ不満は道端で出くわす花や虫にもう少し近づきたいときに今ひとつ近づけないこと. (以前使っていたCanon G7Xもその傾向はあったが...) つまり近接撮影の最短距離が長めである.
接写リング(レンズの後に入れてバックフォースを過剰にする)を使うとか, レンズを逆さにしてつけるアダプタを使うとかいう手もあるが, それらは今時のAFズームレンズという究極ナマケモノレンズには不向きかもしれない(AFやオート絞りの接点の互換性とか). それで, お手軽撮影用の標準ズームXC16-50の機能はそのままにお手軽接写をしたいという願いをかなえるツールとして「クローズアップレンズ」があるのをふと思い出した.
ここ↓にKenko-Tokinaのクローズアップの説明がある.
シングルレンズでマルチコート(透過率改善, 色収差有り)のMCとアクロマート(色収差補正)のACがあって後者の方が像がちょっと高いがきれい. No.1〜No.10があってこれは焦点距離の違い. 各々の焦点距離(No.5まで)は...
No.1 | No.2 | No.3 | No.4 | No.5 |
100cm | 50cm | 33cm | 25cm | 20cm |
クローズアップのために凸レンズを使う場合, もとのレンズのフォーカスリングを無限遠にセットしたときに, 追加したレンズの焦点距離だけ前方の位置に焦点があうことになる. つまり, それより遠くの撮影はできなくなり, クローズアップレンズの焦点距離だけ前方から少し手前までの範囲が撮影できる.
焦点距離が長すぎると(本来の近接距離より遠いとか)効果が期待できないし, 焦点距離が短すぎると被写体とカメラが近すぎて影ができるとか, 動物や虫に逃げられるとか, 障害物があって近づけないとか, 何かと不便なことも発生する.
XC16-50 OIS IIは本来の近接位置が広角側で15cm, 望遠側で35cmくらい(センサ面からの距離かも;ちなみに改良前の型はもっと遠い). No.1, 2では近接距離は変わらないかもしれないので効果が得られるのはたぶんNo.3以上. No.3は広く出回っているようだが, クローズアップレンズを対物レンズとして使ったテストでNo.3だけなぜか像が甘いという気になる情報があり, ACのNo.4を入手した.
良いケースが付属していないがダイソーの小さい丸型ポーチがぴったり.
その効果をテストしてみた. (以下すべてノートリミング)
レンズそのまま | クローズアップNO.4装着 | |
広角側 | ||
望遠側 |
とくに, レンズそのままでは近接距離が長くなる望遠側で効果が大きく, 最大の実像サイズ(倍率)はクローズアップレンズをつけた望遠端で得られる.
ポートレートではこんな感じで眼のクローズアップができたりする.
♪♪♫