富士フィルムの安い標準ズームレンズ(XCシリーズ)には2種類あって, ともにF3.5-5.6, カバーする焦点距離は各々16-50mm, 15-45mmとほぼ重なっている.
違いはサイズ...では軽い方がいいでしょうと思って15-45mmを某オークションで入手したのだが, 手にして初めてこれが電動の沈胴式 & ズームだということを知った. (よく調べればそう書いてあったのに..)
レンズとしての性能の比較については求めるポイントにより甲乙つけ難く, いろいろな人が書いている通り.
しかし, 実際の使い勝手の違いについてはあまり情報がないのでまとめておく.
サイズ感
やはり, 16-50と比較して15-45はかなり小さい. 重量は195gと135gで60gも軽い.
変形
15-45は沈胴式になっていて, カメラの電源ONでレンズが繰り出す. 出た時のサイズは2つのレンズであまり変わらなくなる.
また, 16-50の手動ズームでは焦点距離の変化に対して全長の変化が単調(長いほど長くなる)なのに対して, 15-45はズームアップのときに一度縮んでから少し出るという複雑な動きをする. たぶん, 小型化するために電動で沈胴式にして, さらに電動だから機構によらないフレキシブルな制御でズームできるということでこうなったのか, それとも小型化の代償としてそうせざるを得なかったのか...?
速さ
さて, 電動のレンズをしばらく使用してみるとストレスを感じるのはやはり電源ON/OFFとモード切替(撮影←→再生)の時のレンズの伸縮のタイムラグ (と「ジー...」という騒音). それで, 電源とモード切替の動作のときのタイムラグを実際に測って比較してみた.
結果はこのように....
16-50 OIS II | 15-45 OIS PZ | |
---|---|---|
電源ON (LCD表示完了まで) | 1.90s | 1.21s |
撮影→再生モードへ | 1.03s | 2.05s |
再生→撮影モードへ | 0.97s | 1.12s |
電源OFF | 0.93s | 1.85s |
意外なことに, 電源ONと再生から撮影モードへの切り替えのときのタイムラグは小さく, 電源ONのときはレンズの繰り出しという余分な動作があるにもかかわらず16-50より速いという結果. 撮影のチャンスを逃さないようにそのあたりは頑張ったのかも. ただ, 撮影モードから再生モードへの切り替えと電源OFFのときには, 2倍くらい時間がかかっていることが分かった.
撮影の途中で頻繁に結果を確認したいときなどは電動レンズがストレスになるが, それは主に再生に切り替えるときのライムラグと騒音と無駄にバッテリーを使っている気分によるものと思われる.
思うに, モード切替のときにはレンズを収納する必要はないではないか? また, 再生するために電源をONにするときもあるが, そういうときに撮影モードを通らずに再生できる機能があれば便利かも.
→ Fujifilm様, ファームウェアアップデートでこのへんをなんとかm(. .)m
<おしまい>