風来坊@真幸福知

風来坊@真幸福知

始まりは坐禅会のご案内, 思いつくことを何でも書いていたら星空系に... Started with Zazen session info. now almost astrophotos. 시작이 참선회 안내, 이제 별하늘 사진들.

時を駆けるソウリョ!?

寺にはこれまでに亡くなられた方の命日, 戒名などを記録した過去帳というのがあって, これに基づいて年忌法要の案内などをする. 江戸時代くらいから今までの亡くなった人の数は当然のごとく現在の檀家様の軒数よりひと桁くらい多いので, この過去帳の電子データ化はなかなかの作業になる.

当寺の電子化は最近になってやっと取り組んでいるところで, 年末の仕事のひとつに方丈様が過去帳を見ながら新年の年忌法要のリスト(繰出しという)を手書きされるというのがあった. 過去帳の電子化によって来年からこの作業を軽減しようというのが本年のささやかなる誓願.

以前はそういう寺院向けのデータベース管理ソフトウェアは結構高価だと思っていたが, 定番の「沙羅」というのは2万円くらいで買えることがわかり, それを導入した.

手書きの過去帳OCRもできず, 戒名は旧字体異体字, 普段使わない漢字などもあって, つまり1000件を越える戒名の入力にたぶんいちばん手間がかかる.

ちなみに私はLinuxでmozcという日本語入力ツールを使っているが, これには手書き入力や文字パレットの機能があってなかなか良い. しかし, それでも変換や手書きで出てこない文字もある. そういうときは, Sharpの今は絶版となった電子辞書Brain PW-AC40の「漢字源」を使う. 漢字を構成するパーツの読みからも検索できるのでかなり強力で, しかも漢字が見つかると文字コード("ユニコード 5AEE"とか)が分かる. このコードをmozcの文字パレットで探せばその文字が見つかる. これが必殺技.

戒名入力を完了できたのはmozcとBrainのお陰様である.

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ちなみに, mozcはGoogle日本語入力オープンソース版(だからユーザー辞書が共通で使える)だが, Windows版のGoogle日本語入力からは文字パレットや手書き入力は消えてしまったらしいTT

この数カ月間ひまを見つけては戒名の漢字入力とか江戸時代の年号と西暦の対照とか昔の戒名に添書された続柄から現在の檀家様をたどるとかいう作業をやっていたが, 子がそれを見ていて, "「時を駆けるソウリョ」だねぇ"とつぶやいたのがツボにハマってしまった.

<合掌>