9月下旬, 子が四国に行きたいという. 初めはまだ行ったことのない石槌山に登ろうと企てたが, 観光スポットかなにか探していた子がすごい絶景の道があるとか何とかいうので見てみると, 標高1400mの尾根を走る道, 放牧されている牛たち, そういう所にある宿では夜な夜な天体望遠鏡で星空観望会が催されているという.
出かける予定の日は下弦近い月, 宵の口だけかもしれないが晴れればムフフと期待が膨らむ. そして「石槌山よさらば, 次回に回してスマン」と独り言ちつつその宿, 天狗荘に食事なしの素泊まり予約をするのである.
宿のwebサイトにはビクセンの8cm屈折望遠鏡, 要するに教育用みたいなやつが出ていたのであまり期待はせず, 遠距離のドライブでも気にならない程度のお客さん(機材ともいう: GP赤道儀, オートガイド道具, ポラリエ, カメラ, でかい望遠鏡なし)を積んで出発. (実は行ってみたらビクセンの14cm屈折?か何か, もっとスゴイのもありそうだった. 宿の観望会も良いかも.)
子も星の写真が撮りたくなったというので, 彼女のコンデジ(Canon PowerShot S200: 1/1.5inch CCDでF2のレンズがついたやつ)で星を撮る術を伝授. 画像サイズは最大(L), ISO1600, Mモード, シャッターは最長の15秒, 絞りF2.8, マニュアルフォーカスで∞, セルフタイマー(カスタムモード(C)で3秒間隔で10枚連写とかもできる)を使って手ブレ防止して撮る(という術). ポラリエ(極軸あわせは父)に載せて.
日没の高原の星景写真が撮れていた. 空が暗くなるに連れて銀河が浮かび上がってくる.
さそり座〜わし座あたりの銀河 (10枚をスタックして色調調整してある):
以上が子の作品:-)
こちらはGP赤道儀でオートガイドでX-E2と200mm望遠レンズによる写真を...
空が暗くなった19時頃から月の出の21時までの短時間勝負. 途中で20時前にISSが西の空を飛ぶイベントもあることが分かり, そっちは望遠レンズで手持ちで連写してみたが, 歪な形の光点にしかならなかった. 200mmでは形を捉えるには短かすぎたらしい. また, ISO3200, F4で1/500sでは明るすぎたかも. 次の機会には420mm F7 (6cmのチビ望遠鏡)で1/1000sで撮ってみようと懲りない企みは続く.
まあいいとして, 退屈になってきた子がなんか言ってるのを聴きながら撮影に励む.... (寒そうにしだしたので車のヒーターを入れて退避させたかも)
さそり座〜いて座付近の銀河(Fujifilm X-E2, ISO3200, Nikon 24mm F2.8=>4, 2min x 5枚スタック):
はくちょう座γ星付近の散光星雲(X-E2 ISO3200, Nikon 200mm F4=>5.6, 3min x 3枚スタック):
明るい星(はくちょう座γ)の左の左右対称のやつをバタフライ星雲とか言うらしい.
M31アンドロメダ座銀河(X-E2 ISO3200, Nikon 200mm F4=>5.6, 3min x 5枚スタック):
上の200mm望遠レンズによる2枚は先日の工作の成果のオートガイドをやってみたもの. 以前は2分露出で星が流れたりしていたが, そういうこともなく3分露出で撮れているので成功してるらしい.
次にM33も狙うが月が昇ってきて終了. それに, 夜露がひどくてガイドスコープが曇ってしまい, オートガイドができなくなった. カメラのレンズには懐かしの「ハクキンカイロ」で結露防止しているのだが, ガイドスコープ用にもう一つ必要だった.
翌朝, 雨の高原.
月が出たから引き上げたが, その後から雨が降ってたらしい. 月の出前の快晴はスゴイタイミングだったみたい:-) ありがとー四国カルスト!
1400mの澄んだ空気と周りに灯火のない環境に車で行けるのはなかなかない. 上の写真は路肩の駐車スペースで撮ったので時々車のライトに照らされて数コマがボツになった. 月と競争という感じじゃなくもう少し時間があれば, 道路から2〜3分登った高台で撮影すれば良い.
ちなみに, ここまで登る道路はかなりの距離のすごいワインディング. 曲がるのが嫌になるほどのコースというのもなかなかない(笑).