Fujinon XC35mm F2.0というレンズはFujifilmのAPS-C用の廉価版レンズラインアップであるXCシリーズで唯一の単焦点レンズで, フルサイズ換算で約50mmになる標準レンズだ. 値段が倍以上のXF 35mm F2.0と外装が違うだけで光学系は同じらしい.
実は今までこんなレンズがあったことを知らなかった. 明るい単焦点レンズで18mmと50mmの間に何かがほしいと思って, NikonのオールドレンズやSamyangのMFレンズなどを探しているうちに出てきて, これは何!?となった. 幸い◯◯オクと同じくらいの価格でキタムラ中古にあり, 良品を入手できた.
明るい短めの単焦点レンズには小さく居て欲しいが, オールドレンズの場合はマウントアダプタを介するので長くなり, また, 広角系のオールドレンズは設計の限界で周辺像が悪く, 星を撮るには2絞りくらい絞らなければならない. それで, イマドキのしかもAFの単焦点レンズが廉価なXCシリーズにあることの意味はとても大きかったりする.
そういうことで, 赤トンボがたくさん飛んでいた午後に散歩.
撮影データ: Fujinon XC 35mm F2.0, Fujifilm X-T20, ISO3200Auto, シャッター オート/絞り 2.0とか2.8とか, またはオート, フィルムシミュレーション STD, WB Auto, JPEG/L FineまたはM Normal (適当に撮ったってこと)
このレンズ, オートフォーカスは速い. 内部の小さなレンズをパルスモータで動かしているらしい. Xシリーズ初期のXF 18mm F2.0はレンズ系全体をまるごとピエゾモーターで動かしてるらしく, うるさいことで有名だったが, 当然それとはえらい違い. 飛んでいるトンボにもそれなりにフォーカスしてくれた. 小さかったり細かったりする虫には弱く, 背景にフォーカスを持っていかれるのはしょうがない. そしてズームでは出ない35mm F2の柔らかいボケは良い感じ.
10代〜20代の頃, 父から借りた(カリパクした(笑)) Nikon FEと50mm F1.4を持ち歩いていた. 「標準レンズ」は使い方によって広角のようにデフォルメさせたり望遠のように何かを見つめたり, 中途半端なようで面白いと思っていた. 視野の中でちょうど興味が惹かれる部分を切り取る感じの「標準」という枠, しばらくズームレンズで忘れていたのを久しぶりに思い出したような気がする.
【了】