2/2〜3の土日は, 広島で東和空和尚さんが開催されている瞑想会に行くのと, 岡山の洞松寺へのお届け物の用事で山陽に出かけた. 折しも中国地方全部晴れという珍しい天気予報, しかも月は新月に向かって極細になっている. 当初広島だけの予定だったのだが方丈様から洞松寺への届け物を依頼され, さらに一泊してのんびり(?)行って来いというありがたいお言葉(笑)で... <合掌>
車の荷物は瞑想会用の坐蒲, 寺へ届けるお米の他に撮影機材と車中泊道具一式となる.
福富湖 道の駅
東広島の瞑想会の場所の手前には福富湖というダム湖の駐車場があることを知り, 早めに出発してそこで2時間ほど夜明け前の星空(月, 金星, 木星などが並ぶ)を撮ることに.
福富湖(ダム湖)の道の駅はちょっとした公園になっていて, 南側が湖で明かりもなくなかなか良い. 快晴で霜が降りる中で木星, 金星, 月が昇ってくるのを見る.
<左下から月, 金星, 木星, アンタレス(さそり座); Canon G7X, F2.8, 10秒x数枚スタック; 広角で10秒露出だと星は流れないのでガイドしなくてもたくさん撮ってスタックすれば星がたくさん写る>
この季節にしては風がなくSeeingも良く, 8cmで久しぶりに木星の縞模様を眺められた.
瞑想会
コピスガーデンスタジオ(造園やさん?)の研修室で行われた東和空師の瞑想会に参加してみた.
曹洞宗のやり方だと, 坐禅に入る身体的な過程を教わり, 身から入って心は従ってくるのを待つ感じ. 心の部分については不思量, 何も考えないとだけ言われる. 実際心は制御するにもつかみ所がないので, それについてあまり指導しても実がないかも知れないと納得している. とにかく「まあ坐らや」である. 一度作法を教わると, あとは言葉による指導はあまりないかも.
東師が宗教的な流派はとりあえず置いておいて, 一般に心身を整える方法として瞑想を指導されるのがこの会. 十人弱?くらいの方が参加された. ここでは, 瞑想への入り口を段階的に指導される.
まず体をほぐす. 痛みや凝りなど体の状態に意識を向ける. 次に呼吸を整える. 特にゆっくり吐くことで心が落ち着いてくる. 鼓動などを感じる. 次に, 視線を手や床などどこか1つの場所に向け注意をそこに「集中」する. 次に, 集中して見るのをやめて「拡散」する. 見えているけど意識して見ない状態.... (他にもあったかもしれないが忘れました)
これが瞑想の入り口. あとはお楽しみ. 瞑想は毎日つづけると必ず効果が現れ, 「証し」が出る.
以前, 静慈彰さんが主催されるヴィパッサナ瞑想会に参加したことがあるが, 体の状態を観察するところなど, 似ているかも. 坐禅と瞑想は違うとかいう方々もあるが, いずれにしてもインドに由来した古伝の行法, 根は共通なのだろうと思う. そして確かに身心の健康に効果はある.
こういうことに関心をもってやってみる方(好奇心というか実験好きというか..)は, その時点で既に効果を得ているとも思う. 相性もあるかも知れないが, 端から見ていてやってみたらいいのにと思う方々が, 案外そういうのに興味を持たず, 或いは敬遠する傾向があるように見える. 関心をもつときにはすでにある種の囚われを脱して心の扉が開かれている, のかも知れない.
遥照山の天文台
洞松寺に行く前に寄り道. 2012〜13年に洞松寺で修行させていただいていた時に, 後ろの山のてっぺんにある銀色のドームに興味津々だったのだが, これが国立天文台の岡山天体物理観測所. 188cm望遠鏡, 付属の博物館などがあり, 見学できる.
博物館には懐かしの五島光学15cm屈折望遠鏡(確か, 高校の屋上にあった. 既に使われていなかったが..)があり, 晴れていれば太陽を見せてもらえる. Hαフィルタ(赤いの)を通した太陽像ではプロミネンスを見ることができ, 可視光の方で黒点が見られる. ここ数年は太陽がおとなしく, あまり活発な動きは見えない. 2022年くらいには元気になる!?
京都大学がこの隣に日本最大(アジア最大?)の望遠鏡(主鏡径3.8m), せいめい(平安時代の陰陽師・天文学者である阿倍晴明(あべのせいめい)にちなむ; 岡山の安部山でも天文観測したとの記録があるとのこと)を建設し, 最近完成したとのこと. 窓の外から見ることができる.
車のラジオでNHK第2の高校生向けの英語番組を聞いていたらちょうどこの望遠鏡のニュースが教材になっていた. このサイズの望遠鏡だとお金がかかるので国際共同プロジェクトで作るものだが, このケースは京大が技術開発も独自に行うことで安くあげて単独プロジェクトで完成したとのこと. 世界初の扇型分割主鏡, 超高精度研削加工による主鏡の工期短縮, 遺伝的アルゴリズムでフレーム構造を最適化して軽量化, という3つの独自技術が入っている.
募集によって付けられた愛称の「せいめい」は, 生命にも関係する. この望遠鏡による研究プロジェクトの柱は太陽系外惑星の探査であり, 宇宙における生命探しにもつながるとのこと.
舟木山 洞松寺
中国地方唯一の曹洞宗専門僧堂(修行道場)である. ちょっと予感していたのだが, 涅槃会にちなむ摂心の最中(2/1〜8)で堂長老師にはお目にかかれず, 庫院(台所)にいた雲水(修行僧)さんにお届け物を預け, よろしくと伝えて静かに去る.
摂心とは, 1週間続けて坐禅三昧の生活をして心を摂すること. お釈迦様の心に接することとして接心とも言われる. だから境内に部外者を入れず, 修行僧の皆さんはひたすら僧堂(坐禅堂)にこもって坐禅をしている.
こんな看板が立っている門前に参拝者の方がいらっしゃったのでそんなことを説明して差し上げたり...