Amazonなどでいくつかのサードパーティ製のキャップが買えるが, これまで買ったもののうちかなりの数(5個くらい?)でユルユル問題が起こっていた.
常にユルユルなのではなく, レンズやアダプタの型によって, ユルユルで使えない場合がある.
なので, どれかのレンズにつけて大丈夫だったやつが, 撮影の途中で別のものに付けた時にユルユルで外れやすい状態になってしまう, というトラブルが起こる. 直ちに問題というわけじゃないが, ちゃんとハマったりハマらなかったりするキャップが混ざっていると, バッグの中でキャップが外れるかもという心配が時々生じる気持ち悪い状況になる.
そういうことがあり, キャップを買い足すときにAmazonであまた出てくる商品のどれを選べばユルユル問題を避けられるのかという, しょうもないことに悩むのだ.
それで, 意を決して何が起こっているのか調べることにした.
あらためて手元にあるFujifilm Xマウント用のリアキャップたちを眺めてみると, 3つのタイプがあった. 刻印が「FUJIFILM」となっているのは純正品, 「X mount」となっているのは(たぶん)エツミのもの, もう一つが「FX mount」となっているものでいろんなブランドで販売されている. これまで不良だったものは, 実は全て「FX mount」の刻印のものだったと気づいたりする(不良の目印にテープを貼ってる).
エツミのもこれも製造は中国メーカーだが, 販売価格が数倍違っている. エツミのは1個400円くらい, 「FX〜」のタイプは3個で400円くらいとかで販売されていて, たぶん検査の手間の違いが価格に出てるんでしょう. FUJIFILM純正のキャップも500円くらいで販売されているようだ.
では値段を見て高めのを選べば良いのか?というと, Amazonとかで1個だけ買って不良だったらとても面倒なので, 結局安くてたくさん入ってるのを買って自分で不良品を選り分けるということになる.
そういうこと考えると, キタムラとかに行ってキャップ1個を500円で買うのも実は合理的かも.
さて, 問題となっているのは, キャップの内側にある"┓"形の突起の内側の面と, キャップの端面の距離の公差なのだろう. キャップの内側にノギスがちゃんと入らないので正確な寸法は採れないが, 斜めで測っても比較はできる.
ということで, この方法で測った3箇所の突起の一番奥の内側面とキャップ端面との距離を比べてみたら...
- Fujifilm純正(「FUJIFILM」の刻印, 「OPEN」の右に丸印): 3箇所ともほぼ正確に3.6mm(!)
- (たぶん)エツミ製(「X mount」の刻印, 「OPEN」の右に丸印): 3.5〜3.7mm
- いろいろ(「FX mount」の刻印, 「OPEN」の右に丸印なし)*: 3.4〜3.6mm (不良だったやつは全てこのタイプ)
(*は不良品を測った.)
なるほど, ここの寸法が3.6mmあるかどうかでキャップのハマり方が決まるらしい. 2箇所以上が3.6mmに満たない場合, ユルユル問題が発生すると思われる.
FUJIFILMの純正品については, 少なくとも手元にある2個についてはとても正確に3.6mmとなっていた. エツミ製はその前後±0.1mmくらいのところ.
不良品だったやつは2箇所以上で3.6mm未満だった.
ちなみに, ユルユル問題が発生しやすい相手側は, K&F Concpet製のT2リング(T2-FX)や, Viltrox製のマウントアダプタ(NF-FX)である. Fujifilmのレンズ後端と比べて, マウントのツメと座面の距離が微妙に離れているのかもしれない. しかしカメラを取り付ける分にはガタの問題もなく使えているので, そっちは許容誤差範囲なのだろう.
ちなみに, 純正のキャップについては, 回転もとても滑らかで吸い付くように装着するのだが, 取り外すときに外れにくいことがある. キャップの内径とマウントの突起の外径がピッタリで, 引っ張らないと取れない感じ. だから野外で撮影中にレンズ交換する時など, 片手でキャップを外したい場合は, エツミ製の方が外れやすくて使いやすかったりする.
ところで, 少し古いが純正とサードパーティ製の「FX mount」キャップについて, 真逆のことが書かれている記事(プロカメラマンの方)もあった.
その後品質管理が改善されたのかな?
【了】