(注: 写真は記事内容と関係ありません(笑))
お盆が終わった.
お盆には檀家さんや近隣の家々を回って先祖供養の読経をする「棚経」という行を勤めるのが日本の多くのお坊さんたちの習慣である. 当山でも百数十軒を住職と私で分担して回ることにしている.
今年の夏はこの猛暑で, 行く門ごとに聞く挨拶は「暑くて大変ですねぇ」. これを100回近く聞くと, 聞く度に笑いがこみ上げて来て「はぁ, ホントに笑っちゃうくらい暑いですねぇ今年は〜」と返していっしょにゲラゲラ笑うことになる.
13日, 14日の二日間はとくによく晴れて暑かったので汗ダラダラだった.
娘曰く「お父さん, 皮が薄くなったんじゃない?」
私 「干からびたってこと??」
娘 「まぁ... そんなかんじ?」
という感じ.
失った水分とミネラルを補給するのに, 麦茶や麦茶+塩, 梅干しとかで足りた気がせず, 何だか分からないがいろいろ成分を調整されてるらしいスポーツドリンクのようなもののご利益を感じた二日間だった.
三日目の15日は, この日はとにかく回るべきところを回り終えなければならないわけだが, 九州を通過して日本海に抜けた台風の影響でこの辺でも多少の雨が降った. 気温は30ºCを超えたが日差しが無いだけでもかなり楽だった.
14日には, 真幸が丘公園(当山の山号「真幸山」です)の祭があって花火もある.
この地域では最近30日以上雨が降らなかったので乾燥して枯れ草なども多く, ここ数日は農協の放送で消防署からの注意喚起が頻繁にあった. 野焼き(「くよし」ともいう)は必ず消防署に連絡して細心の注意を...という感じ. 野焼きの延焼で消防車が出たことも数回あったとのこと.
それで花火大会の前には消防団の皆さんが周辺に水撒きをされたと聞いた. 今年の花火が例年よりだいぶ小さかったのは山火事の危険を考慮してのことだったのだろうと勝手に想像している.
棚経する中でいろいろ気づくことがある. よくお寺参りをされる家の仏壇で◯◯童子, ◯◯嬰女という子供の戒名を見ると, 子供を亡くして辛い思いをされたと分かる. 位牌に□□院◯◯英霊位とあれば戦死された方である.
おばあさんが一人暮らしで仏壇を守っているところに行くと, いろいろな昔話をしてくださる. 若く戦死した兄弟のこと, おじいさんを見送ったことなど.
戒名に難しい漢字があって毎年読み方を忘れて聞き直すところもあった.
高齢のおじいさんが年ごとに細くなられる姿も見る.
かと思うと, 玄関にアニメのポスターやフィギュアが陳列されたお宅, アニおたのご本人と見られる若い人がおばあさんといっしょに丁重に仏間に案内して下さり読経する後ろでお経の一節をいっしょに唱える.
今年は暑さのせいか, この近所でも他界されたお年寄りが多かった. 冥福を祈る.
お盆が明けた本日16日は, 久しぶりのまとまった雨. 棚経しながら密かに雨乞いしていた坊さんが多かったのかな(笑)