例によってお盆には棚経(たなぎょう). 檀家さんや近所の家々を回ってご先祖様方を祀った仏壇や祭壇で読経するのを棚経という.
多くの家々を訪問するといえば「新型コロナ感染防止」の壁が立ちはだかる. お寺によっては全面的に棚経を取り止められたところもあると聞く.
「慣習」という暗黙の了解というか, 社会的圧力というか, 「変わらない」ことの色濃いこの地方都市でも, 今年は春以来いろいろなことが変わった. 春の大般若法会, 花祭りの行事, 夏の青少年修養の集いはみな中止となった. 夏の施餓鬼会は, いつもだと近隣のお寺といっしょに順番に各寺に集まって法要を営むのだが, 今年はそれはやめて, 個々ですることになった. 当寺でもこじんまりと勤めた.
さて, 棚経だが, 当寺では,
- 基本的に檀家様だけ回ることとし, いつも回っている近隣の檀家以外のお宅は行かない
- 檀家でも感染防止のため辞退されたところは行かない
- 檀家以外でも盆礼(お盆のお布施)を持ってこられたところは行く
ということにして棚経を勤めさせていただいた. 訪問するときには
- 一軒ごとに訪問前に手をアルコール消毒
- 訪問中はマスク着用(読経も)
- お茶などの接待は辞退する
という対策も.
このくらいやればたとえ自分がこの先2週間以内に症状が出て感染が発覚したとしても, 訪問先は濃厚接触者とはならないだろうと思う. 飛沫は飛ばないし鐘や木魚の棓(ばい, 叩くもの)以外には触らない, その触る手も消毒済みなのだから.
ところで, このマスク↓↓↓, アイスシルクコットンという素材の夏でも快適というモノ(3枚で1000円くらいで購入).
春に使い捨てマスクが品不足だった時期にはこんなことを書いたのだが, 5月ごろから日本の市場にも布製のマスクがいろいろ充実してきて, 以前韓国みたいなマスクが日本にないと言っていたのが大昔のようである. 最近は町を歩いていても人々がいろいろおしゃれなマスク(手作りもあるのでしょう)をしている姿が目に付く.
まあいいとして, このような最新鋭(?)マスクでも, やはり呼吸にはそれなりに抵抗となる. 外の炎天下を自転車で移動するときにはマスクを外すのだが, その時の新鮮な空気が天国のよう. 訪問先の屋内で読経する時は...
ダイヒシンダラニ〜〜 ナムカラ.... シフラーヤー "スーハー" フジサトボーヤー... ナムシキリー "スーハー" ...
まるでダースベーダーである. 全体的に黒いし(笑)
とにかく, 何とか無事に勤めさせて頂きました. 感謝.
各家の守り神でいらっしゃるご先祖の皆さんと現世に生きる人々すべての安寧を祈る.
<合掌>