7月いっぱいつづいた長い梅雨の間にR200SSというものが現れた. (要するに◯◯オク!で...(笑)) その主鏡まわりを直したことを記しておく.
入手時には主鏡も斜鏡もホコリだらけだったので, 外して洗浄した. ここらへんの記事↓↓を参考に...
筒先から覗いたときは分からなかったのだが, 主鏡を外してみると, 主鏡の前面を押さえる部品が無く, 主鏡の側面がシリコンシール材で貼り付けてあるではないか@_@; 前ユーザーが光軸調整に苦しんだあげくにそうしたのかもしれない.
とりあえずそのまま洗浄し, 組み立てて光軸調整をやって, 星像テストをしてみると, 焦点外像がおむすび型になる. 主鏡後ろの光軸調整ネジの締め具合を緩めにするとやや改善する. しかし, 焦点内外で楕円形の像が90°回転し, 焦点できれいな点にならないという問題は, どうやっても解決できなかった. 結局, 主鏡の固定方法が問題なのだろうと考えて, なくなっている部品を取り寄せて本来のように直すことにした.
このモデルは1995年くらいに発売されてから今も続く超ロングセラーで, 一度主鏡の固定方法が改良されているらしい. 改良後の部品を取り寄せて組み直せば良くなるかも知れないと判断. ビクセンに問い合わせると, 以下のような部品が必要とのこと.
- No.1366 R200SS主鏡枠セル @4,800円 1個
- No.1367 R200SS用主鏡セル用当て板 @100円 6個
- No.1368 R200SS主鏡押さえツメ @150円 3個
- No.1369 R200SS用主鏡押え環 @450円 1個
部品が1週間ちょっとで届いた. こんな感じ↓↓↓
主鏡の底を置くところに黒いゴムシートを貼ってみたが, 後にコルクシートに変更した. ゴムだとガラスが張り付いて主鏡をずらしたときに力が残って歪ませる原因となりそうだから.
元のはこんな感じ↓↓↓ (主鏡を貼り付けてあったシリコンシール材をナイフで取り除き, 主鏡を救出した後) 主鏡の背後の鉄板は, 裏側が白っぽい塗装だったのでターナーのアクリルガッシュ・ジェットブラックで黒く塗った.
↓↓↓新しい部品で主鏡を取付けたところ. 主鏡の縁をわずかに隠す主鏡押さえ環はプラスチック製. これも前面にジェットブラックを塗った. 3か所でネジ2本で固定されるが, ネジのところで押さえ環の裏側(鏡に当たるところ)に薄いゴムシートを貼って柔らかく押さえるようにした. ネジを締め込むとゴム製の脚が圧縮され, 主鏡が押さえられるようになるが, ゴムシートが鏡の縁に触れてわずかに凹むところで止め, ネジロック剤を塗った.
左側に見えるイモネジの入っている部分は, 主鏡側面を押さえる板を背後からイモネジで締めるようになっていて, こういうのが6か所ある. これで主鏡が横ズレしないようにしたのが改良点らしい. 主鏡の側面を締め付け過ぎないように, イモネジを締めて行って当たった感触のところで止め, ネジロック剤を塗った.
主鏡を固定した後で主鏡セルを裏返すと, こんな感じ↓↓↓. 何か中心付近にパターンがある. 表面精度を蒸着で出しているんだとか...
↓↓↓主鏡の後ろから外枠をのせ, 光軸調整の押し引きネジを入れる. 引きネジが短くて調整しろが少ししか無く, また, 錆びていたので, 少し長めのステンレスネジに交換した. (引きネジ:六角穴付ボタンボルト M4x15, 押しネジ:六角穴付き止めネジ(イモネジ) M5x8; 両方とも六角穴は2.5mmでひとつのヘクスキーで済む)
↓↓↓表はこんな感じ. 中心に光軸調整用のセンターマークを書いた.
このように主鏡まわりを直した結果, まともに焦点を結ぶようになった. このモデルF4の短焦点にしては精度が良いという評判は本当らしいということを実感.
(実は, 鏡筒に取り付ける時に, M4ビスのひとつがネジ穴の中で切れて残っているのに気づき, 外枠のネジ穴に残ったビスの先端をドリルで貫通してネジを切り直すという余分な手間もかかったりしている*_*;)
最近の反射望遠鏡はコンパクトなカセグレン系RCが多いようで, Newton式はコスパモデルの位置づけ, 話題にもならない感じだが, R200SSは最近もこのような↓↓記事になっている.
実は, 使っている赤道儀がGPDでもっと大きなものにする考えは毛頭無いにも関わらず, 何とか20cm鏡筒が使えないかと考えていた. BKP150は約6kg. そのくらいの重量で20cmというと, Celestron C8しかないと思っていた. しかし, 気づくとR200SSのスペックは鏡筒本体5.3kg, 20cm Newton式としては例外的に軽い. (同じ20cmF4のBKP200は8kg以上) カメラやガイド鏡などを積んで合計8kgくらいに抑えようとすると, C8の他にはR200SSしかなさそう.
C8(シュミットカセグレン)とR200SS(Newton式)を比較すれば, 光軸をユーザーがなんとかして完全に調整できるNewton式の方が安心感がある(とくに中古では). F4だが精度が高いので惑星にも使えるという評判もあるし, F4だから星雲などの撮影が短時間でできるのは強みである.
というような梅雨空の下の妄想の結果がこのようなことに(笑).