ということで, 上弦の月で一夜晴天の予報なので出撃ということに. R200SS改とASI533MCでいくつか銀河を撮る計画.
この時期の上弦の月は夏の太陽くらいの赤緯にあって, 空高く昇って夜半を過ぎてもなかなか沈まないらしい. さらに, 早い時間に見たSCWでは終夜快晴が期待できそうな感じだったが, 現実はちょうど月が沈んだ夜半すぎから薄雲が広がりはじめて, あまりまともな撮影時間が撮れず...
とりあえず, 到着してすぐに撮った天頂近い月は, 自己ベストのシャープさで月面グーが撮れた :-)
西空にだんだん高くなっている宵の明星(金星)も.
月が下がってくるのを待って, ひまわり銀河M63から撮り始める.
月が沈む前から撮っていたので, 月に近い方の空が明るく1インチの画角の中にもBGにグラジエントができてしまった. 周辺減光というわけではないので, APP (AstroPixelProcessor) のlight pollution removal (光害補正)を使ってBGのカブりを除去した.
並木の間から見えるのはさくらおろち湖の湖面から立ち上る川霧. おろちがウネッて下っていく感じの貫禄がある. 撮影場所は高台でそこまでは霧は登ってこない.
夜半すぎ, 月が沈み天の川が昇ってくる.
せっかく月が沈んだのにしばらくしたら薄雲が出てきて, シーイングも悪化したらしい. いくつか二重星を見てみたが, ラスアルゲティ(ヘルクレス座α)もあまり分解しないし, こと座ε(ダブル・ダブル・スター)の2つの二重星もかなり怪しい感じ.
そのせいか, M63の次に撮ったM13ヘルクレス座球状星団はガイドは安定しているのに星像はボテボテな感じになって残念TT
M13は以前から何度か撮っているが, 中心部が明るく周辺は暗い星々が広がっているので中心が白飛びしたり周辺が出なかったりと案外難しい. 今回は露出時間1minと3minのコマを合成してみたが, 星像の甘さでそれ以前の問題...
空が良ければ他にもいくつか銀河を撮る計画だったが, ここまで.
椅子やPCケースにはかなり夜露がおりていたが, 主鏡筒, ガイドスコープ, ファインダはどれも銀シートのフードをつけていたら結露はしなかった.
薄明が始まった頃に鏡筒は車内に持ち込んで乾かし, 架台などは日が出て乾いてから撤収. すぐに帰宅しない場合は濡れたままで車に積んでいると良くないことが起こりそうなので日が昇って夜露が消える時間をゆっくり過ごして(寝るとか)移動するのが良さそう.
草むらにはベニシジミやキリギリスの幼虫が見られた.
【了】