風来坊@真幸福知

風来坊@真幸福知

始まりは坐禅会のご案内, 思いつくことを何でも書いていたら星空系に... Started with Zazen session info. now almost astrophotos. 시작이 참선회 안내, 이제 별하늘 사진들.

SkyWatcher Star Adventurer GTi

どちらかというと自動導入とかWiFiなどの飛び道具は敬遠していたが, SkyWatcherのStar Afventurer GTiが日本でも販売開始というのを聞いて, ついにその手のやつに手を染めることに....

"Star Adventurer"(以下SAと略)は元々, 日本ではKenko-Tokinaの"スカイメモS"として売られているポタ赤OEM元であるSkyWatcherでの製品名だ. "Star Adventurer GTi"は海外では(たぶん)昨年春に発表されたモデルで, 元のSAは赤経軸だけのトラッカーだったのに対し赤経赤緯の2軸をもった小型赤道儀の形になっている. 日本ではシュミットさんで今年の1/20に販売開始.

数年前に発表された自動導入経緯台のAZ-GTiがベストセラーになって, ウェッジを使うことで赤道儀化して使うのも流行り, メーカーもそのためのファームウェアさえ出していた. SA GTiは元のSAのアップデート版というよりはAZ-GTiの赤道儀モードを本来の赤道儀として作り直したものという見方がされているらしい.

ぼちぼちレビューの記事や動画なども出ているが, 概ね好評.

  • 本体重量2.9kg
  • 積載量5kg (元のSAと同じだが, ウェッジなどの構造が違うので実際にはずっと剛性が高そう)
  • 2軸オードガイド可
  • 自動導入機能, 北極星が見えない場合の極軸調整機能など
  • 赤経ウォームは歯数180! (EQM-35と同じ)
  • 極軸望遠鏡の照明が内蔵されていてSynScanアプリから明るさ調整できる

元のSAでは重すぎたMAK127(3.4kg)くらいまでは実用的に乗せられそうだし2軸オートガイドできるのでかなり長焦点でのDSO撮影も行けそうな気もする. 15cmや20cmの鏡筒でなければ重いSX2赤道儀を持ち出さなくても, この小型赤道儀で済むということになる.

気になる点として...

  • 制御がWindows PCからUSBケーブルで, スマホなどからWiFi接続で, 別売のハンドコントローラ(SynScan)をつないで, という3つの方法になる. 何れにせよコンピュータ(SynScanアプリ)から制御するので元のSAやSX2やポラリエのようにハードでダイレクトな使用感ではなさそう. AZ-GTiと同様にスマホから使う人が多いようだが, 使い勝手はどうか(タイムラグとか, タッチパネルの使用感とか)?
  • 赤経軸の回転が子午線をちょっと過ぎたところでハード的に制限されているらしい. 不便じゃないか?

ということだが, レビューしている人に問い合わせたら大きな問題では無さそうだった.ということで.... ついに"ポチッ"とした(笑)のが数日前.

ネガティブなレビューは今までのところ見たことがないが, 実物を見ると, この値段だからなぁ...という部分はあった. (私のところに来た個体がたまたまそうだったのであって, だいたいはそんなことないのかも知れないが) ちなみにこれまでも某SV...とかSky...など安価なMade in Chinaたちは, 購入してからひと手間かけてやっと快適に使える感じなのはあるあるである.

まず, 誰かのレビューでもおっしゃっていたが, 極軸望遠鏡のキャップが, 電池を装填した状態で付けられない. ツメを差し込んだ時に電池にぶつかって奥までささらないのだ. これはツメの先を2mmくらい削れば, 強度を損なうこともなく電池が入った状態でも取付けられるようになった.

次に, ウェイトの軸の先端についているネジ込みのエンドキャップを外すと, ネジ穴から黒い油と切削屑のようなものがポロポロと落ちてきた. え, 切削加工の後で洗浄してない?? KURE556を吹いて拭き取るくらいじゃ取れそうにないので, 洗剤をつけてブラシでこすって洗浄してやっとキレイになった. ドライファストルーブを付けてOK.

さらに, ABS樹脂製(?)のバッテリーカバーの裏側を見るとザラザラで触ると指に白い粉がつく. 裏側は仕上げがしてないらしい. 軽くサンドペーパーをかけて洗浄してOK.

まとめると, 見えない所, スペックにひびかない所では徹底的に手を抜いてコストを押さえてるのかも知れない.

まあ, 少し手をかけて自分で「仕上げ」をすれば不便なく使えるということで, Made in Chinaが世界を席巻する最近はこういうのがホントに多い気がしている.

収納は, 以前GPD赤道儀お手軽バージョンを収めるために作った箱に, 付属のウェイトを含めてちょうど収まった.

GPDの赤経軸ユニットと同じくらいのカサで, 重量は軽くて2軸ガイドできて自動導入などイマドキ機能も使える. 軽量機材での撮影と電視観望用に(明るい空とか北極星が見えないとかのときも)使うということで, 運転席の下に忍ばせるアイテムになりそう. (この箱は運転席の下に入る高さなのだ)

これまで, GPより軽い小型赤道儀ポタ赤より高機能のものというのは, VixenのAPとかSkyWatcherのEQM-35などがあったが, あまり軽くないし値もかなり張る. AZ-GTiは経緯台赤道儀として使うには手もかかる. SA GTiはそこら辺のすき間で今まで製品のなかったところをちょうど埋めるモノとして, うまいデザインで登場していて, しかもリーズナブルなお値段(たぶん自動導入赤道儀で最安価). 流行りそうな気がする. 一方, AZ-GTiの値が下がってそちらがお買い得になるという線もありそう. (経緯台の方もAZ-GTiXという新手が出ているようだ)

しばらく天気がよくなさそうだし, 諸事情もあり実戦投入はしばらく先になりそう.

 

zzZZ..

追記: いちばん重いセットだとウェイトがちょい不足気味なので対策した

これに載せたいいちばん重いのはMAK127で, ガイドスコープを加えていちばん重いセットにした状態で(実際はこの場合使うカメラはCMOSになりそうだが, 敢えてミラーレスにして)バランスをみたら, ちょっとウェイトが不足. Vixenの1kgのウェイトを買い足せば良いのだが, 重量を増やすのも芸がないのでシャフトを伸ばしてみた.

SA GTiのウェイト軸は外径20mm(Vixenと同じ)でネジはM12. M12ボルトに外径20くらいの筒をかぶせてすき間を埋めれば良さそう. それで, ホームセンターで入手できるM12x120六角ボルトと, 外径19mmのステンレスパイプ(MGバイプとかいうやつ)を使ってみた. パイプは内径約17mmでボルトとの間にけっこうすき間がある. まずボルトにアルミテープをぐるぐる巻いてすき間をほぼ埋め, エポキシ接着剤を残りのすき間に充填して...

約10cmの延長ロッドができた. もとの長さは21cmくらいなので約1.5倍になる.

こんな感じ↓でいちばん重いセットでもバランスがとれた.

ちなみにファインダの脚にガイドスコープも括り付ける荒業(笑)を駆使している.

実は, ウェイト軸をこの通常の位置に取り付ける場合はウェイト軸が赤緯軸と共に回転するのでガイドスコープをそっちにつけることもできる.

こうするとウェイト軸を延長しなくてもバランスがとれた.

ガイドスコープの取付けはこんな感じ.

ファインダが重めで赤緯のバランスに悪いので, ガイドスコープをウェイト軸に, ファインダのモーメントをキャンセルするように付けるのが良いかも知れない. (上の写真はそうなっていないが...)

いちばん軽いセットはミラーレス+望遠レンズ+ガイドスコープになるが, この場合は付属の2.2kgのウェイトをほぼいちばん近い位置に付ければ大丈夫だった. 但しウェイトが最下部にくると極軸調整ネジと干渉するので, ウェイト軸を低緯度用の位置につける必要がある.

ともかく, これでバランスの問題は大丈夫. 結局ウェイトは付属のやつだけで済みそう.

軸径がVixenと同じなので, SX2やGPD用の1.9kgも使えるが, 外径がSA GTi付属のより少し大きいので赤道儀本体や三脚と干渉しやすくなる. Vixenの1kgは径が小さいのでやっぱり良さそうと思ったりするが...  思いとどまっておく(笑)

【了】