初期不良で入院中だったStarAdventurer GTiは思ったより早く, 1週間ほどで本体交換ということで対応していただけて, 先日撮影テストをしてみた.
ノーガイドでC5 (DIYの0.68xレデューサでf=850mm)にASI533MCを付けての簡単なもの. ある程度の長焦点でも軽い機材でお手軽にできないかという試みで, それなりに写ったが, あまり良くは写らなかった.
Dark/Biasフレームも撮ってあったのだが, これらで補正すると色が変になり使わなかった. F6.8の比較的暗い光学系で30sの短時間だと, 光量が少なくて補正が上手く効かないのだろうか? Lightフレームをスタックしただけで, Gimpのwavelet denoiseでザラザラのノイズを消して何とかこの程度の画像である. トラッキングは東西に少し揺らいでいて, 30sという比較的短時間露出でも200コマのうち40コマくらいは星が伸びた感じ. ヒドい20コマを捨てている. オートガイドして露出を3分くらいかけた方が良さそう.
撮影風景はこんな↓感じ.
目の前の公園の街灯が, 丘の木々や建物も明るく照らすくらい酷くて, 眼視だとカニ星雲はほとんど見えない感じだった.
レデューサはKenkoクローズアップレンズAC No.5 (φ49mm)を使ったDIY品で, クローズアップレンズの枠を外して(カニ目レンチで押さえリングが外れず, 結局枠を切断する荒技を使った)レンズだけ取り出し, 2インチ延長筒の中に仕込んだもの.
C5(バッフルチューブが細い)でこれを使うと1インチのASI533の画角(11.31x11.31mm)でも四隅はかなり周辺減光が出る. 上の写真はトリミングしてあって, 全体はこんな感じになっている.
右上と左下はトラッキングのズレでケラれている. それから四隅では星像の肥大も見られる. ASI533の画角でも周辺はトリミングする必要がある. 中心部だけ使うことにしてフラット補正はなし, 少し露出を増やしてダーク/バイアス処理だけする方向で行くか?
長焦点だが軽量でレデューサを使えばF6.8の明るさになるC5はSA GTiに乗せて撮影に使えそう.
SAGTiに載せる小さいモノ倶楽部: 105/180mm望遠レンズ, SD60SS, C5, あとは... MAK127?
追記: SA GTiの赤経軸のバックラッシュ調整
赤経のクランプを締めた状態でも少しグラグラするのが気になったので, ググったらこんなのがあった.
赤経軸の喉もとのこのステッカーの向こうにネジ穴があるそうだ. 剥がすと...
穴がある. この中に2mmの六角穴のイモネジがあって, それを締めるとグラグラが小さくなる.
極軸の高さが35°だとこの穴にヘクスキーレンチを突っ込みにくいので, 北ヨーロッパ並みに極軸を上に向けるとやりやすい.
あまり締め付けすぎると, スカイメモSのときみたいに赤経軸のモーター駆動が渋くなってしまうかもしれない(そこまで締めていないので分からないが)ので, ほどほどにしておいた. スカイメモSはバネでウォームをホイールに押し付ける機構があったが, この赤道儀はそうではないらしく, ここのネジで微妙なところを調整するものと思われる.
この赤道儀, スカイメモS(Star Adventurer)と比べるとずっと丈夫だが, 赤経・赤緯ともにクランプを締めた状態でのグラつきや極軸調整の台座のあたりも, リジッドに見えてそれほどでもなく, 力をかけると多少グラグラする. そこら辺は大目に見て, 軽さと便利機能を活かして使い倒すモノなのでしょう.
【了】