大統領任期中にセウォル号事件(それにまつわる報道をめぐって産経新聞ソウル支局長の名誉毀損での起訴とかもあったなぁ), そして左派による大衆扇動いわゆるロウソクデモで失脚し, 懲役22年実刑という波乱の末にこれまで5年近くを獄中で過ごしてきたパククネ前大統領が, 文在寅大統領により特赦されたというニュース.
どうせ選挙に備えた策略なんだろうが, パククネさんの弾劾と重罪判決に対しては外国人の目からみたら非常な違和感を感じていたので, 牢獄から出られたという知らせは嬉しく感じる.
あらためてパククネ大統領時代を振り返ると...
何の資格もない友人を大統領という重責の公務に近づけて政権を混乱させた末期はさておき, 初の女性大統領(日本にはまだ女性首相が出ていない), 韓国の経済発展の基礎をつくった朴正煕大統領の娘で外国で教育を受け中国語も堪能という才女, そして父母の両方を暗殺により失うという悲しみを経た女性.
日本からみたら「告げ口外交」とか, 中国に異常に接近!?みたいなこともあったが, 私の個人的な体験としては, 韓国で仕事をしていた時期の大統領であり彼女の政権下で原子力安全委員会のプロジェクト(原子力の安全向上のための研究)に従事させていただいたし(パククネさんは理工系の教育の重要性をよく分かってたと思う), ソウルでの韓日合同慰霊祭で読経を依頼されて祈祷した年の年末に日韓合意があったり, 思い出深いことが多いので勝手に親近感を持っていたりする.
詳しくはWikipediaにいろいろ書いてある:
お父さんの朴正煕大統領は, 若い時は教師, それから軍人になって日本の士官学校を出て日本軍人となり, 終戦(朝鮮にとっては光復)後は韓国軍人, 60〜70年代の混乱期に共産化勢力と対峙しながら国を復興する中で独裁的体制をとらざるを得なかったという印象, こんな感じを持っているが, こちらもその波乱万丈な生涯はWikipediaにかなり詳しく書いてある:
今の韓国は, 文在寅大統領のひどい政策(親日残滓の清算とか, 慰安婦問題などの政治利用, あらゆる組織から専門家を追い出して同じ政治勢力の素人をトップにつけ, 経済無視のナイーブな経済・環境・エネルギ政策, 異常な親北, 外交音痴etc. etc.)によってパククネ時代と比べて格段に品位を落としてしまったように感じられてならない. いちばん被害を受けているのは, 大統領が変わるたびに変わる教育を受ける若い人たちかもしれない.
パククネ時代に多少ニュートラルに近づいた歴史教育(とくに日本との関係)を左翼民族主義に振り切った. それで隣国を知らずに隣国を悪と思い込み, 自国が外からどうみられているかを知らずに愛国は隣国を憎むことだと思いこむ. (多くの人はそうなってないと信じるし, このことは私たちも自ら顧みなければならない)
広い視野とバランス感覚のある視点を持った人に次の大統領になって欲しいものだと思う.
=祈=
