7/16~18の日程で韓国のPOSTECH(ポハン工大)原子力専攻の大学院生のみなさんの福島第一廃炉現場と研究施設見学を案内しました. (原子力関連の韓国の方の視察ツアーなど弊社で通訳案内承っております:-)
宿泊は定宿となっているホテルパームスプリング. POSTECH&私の福島見学ツアーはこれで3度めになりますが, 私がPOSTECH職員だった初回にここを利用したとき, 社長さんが 韓国の方で, 震災以来お客さんの途絶えていた韓国から賢い若者たちがまさに原発事故と放射能問題の現実を自分の目で見るためにきたのを喜んでくださったというのを知り, 以来宿所はここに固定:-) 昨年はたまたまその社長さんと直接お会いして学生たちにお話いただく機会もありました. 朝夕の食事がおいしく(ビュフェ), ホテルにも温泉がありフラダンスで有名なハワイアンズへの送迎バスも利用できます.
さて, 7/17は東電福島第一原発の廃炉現場の見学, 常磐高速で富岡ICまで, そして富岡町にある廃炉資料館に向かいます. 高速道路にいくつかモニタリングポストが設置してあり, 線量の表示が. このルートでは最大1.1μSv/h.
富岡ICの周辺にはところどころ帰還困難区域への入り口があり, 住宅地には警備のためのバリケードが. ICから国道6号までの道路は廃炉現場とのアクセスのため優先して除染が行われ通行できるようになったとのこと.
国道6号に出るT字路付近の線量は0.8μSv/hくらい. この周辺は線量にわりとムラがありここは少し高いかも.
富岡町の双葉警察署前の廃炉資料館に集合して東電の方から説明を受け...
... 現場へ向かうバスに乗り換えて出発.
現場の見学の様子は後ほど. 写真は東電職員の方に撮影していただいたものを警備上問題な画像などを除いて送って下さることになっています. (→下の「追記」をどうぞ)
敷地内の線量はほとんどの領域で0.4μSv/hくらい, 原子炉建屋のある海抜10mへ降りる手前の海抜35m区域の縁あたりで40μSv/hくらい. 一番線量が高いのは2号炉と3号炉の間の通路で300μSv/hくらい. これは昨年からあまり変わっていない.
見学後にはホテルで感想や原子力についての考えなどをディスカッション.
18日にはJAEA(日本原子力研究開発機構)の福島研究開発部門の施設の2つ, 楢葉遠隔技術研究開発センターと富岡の廃炉国際共同研究センターを見学.
楢葉遠隔技術研究開発センターでは, 太極旗を掲げて歓迎していただき, 実規模のモックアップ試験体などの施設を見せていただきました.
廃炉国際共同研究センターは, 国内外の研究機関や大学などが共同で資金を出して研究者を集め, 廃炉作業に必要な基礎技術の開発などをしているところで, そこで開発された技術が応用された大型装置を楢葉遠隔技術開発センターで開発するというしくみのようです.
このあとは学生たちを引率されるユウ教授(日本語ぺらぺら)に日韓通訳のお役目を引き継いで, 私のPOSTECH一行の案内は終了. ユウ教授の母校である東大生産研の見学と東京観光をして帰国とのこと.
Have a nice trip!
追記(2019/8/1): 現場見学の時の写真(東京電力HD様より).
廃炉資料館から現場へと向かう国道6号沿い, 帰還困難区域には地震のときそのままの姿の建物が並ぶ.
約2μSv/hだと年間20mSvくらいになり, 居住制限の値になる.
現場に到着すると, 入域の手続きをして個人線量計をつけて構内バスに乗り換え, 構内を見学. 処々にこういう小型のモニタリングポスト. 内陸の高台はほとんどの場所で0.4-0.6μSv/hなので普通の作業服で作業している.
高台の端, 原子炉建屋のある海抜10mの所を見下ろすところでは約40μSv/h. ここは1号機の後ろ, 屋上の瓦礫を整理して使用済み燃料プールの燃料取り出しの準備が進む.
10mの海岸沿いに下りると線量が上がり, 2号機と3号機の間の通路で最大約300μSv/h. この壁の向こうにある原子炉格納容器から来ている.
建物の壁に津波による浸水の跡が.
数十年続く廃炉作業の安全な進行を祈ります.
=祈=