ある日, GEOというレンタルビデオ店の1階にあるセカンドストリートというリサイクルショップの前を通りかかると, 店の前に古い天体望遠鏡が置いてある. 誰かが持ち込んだばかりのものらしく, まだ値段もついていない.
ビクセンというメーカーの8cm屈折望遠鏡(ふつうっぽいやつ)で赤道儀に載っている. 「赤道儀(せきどうぎ)」というのは, 望遠鏡の筒と三脚の間にある架台で, 分かりやすい水平垂直の軸ではなく変な方向を向いた軸が組み合わさった「あれ」である. 初心者が天体望遠鏡を使おうとして初めに???となる部分かもしれない. 量販店の店頭にある天体望遠鏡の展示品(とか通販サイトの写真とか)で, 店員さんが分からないらしく変な取り付け方をして置いてあるのを見かけることもある.
この品の赤道儀はNewポラリスという30年くらい前の型で, 実は私が学生時代に使っていたのと同じ懐かしのモデル. 今では世界に有名になったビクセンだが, 当時は比較的初心者向けのリーズナブルなものを売っていた印象. ポラリス赤道儀は安くてわりと小型でそれなりにしっかりしているコストパフォーマンスモデルだったと思う. 私は当時オートバイに積めるように改造して, 富士山などに持って行って写真を撮ったりしていた記憶がある.
さて, リサイクル店の店頭にあるそれは, 架台に錆があるが微動ハンドルを回した感じは悪くなく, レンズを覗いてみると多少曇っているが致命的な傷やカビは見えない. 8cmの屈折望遠鏡なら結構楽しそう...
ちなみにこの30年間, 望遠鏡は所有したことがない. カメラの望遠レンズに接眼レンズをつけた簡易な望遠鏡で子供たちに星空を見せることはたまにあるが, それは肉眼の延長(もっと明るくもっとたくさん, そして逆さま)という感じで, 月のクレーターや土星の輪というわけには行かない. 8cm望遠鏡ならばそういう手の(眼の?)届かない世界が見える.
値段がいくらだったら買おうか...などと妄想を膨らませながら去る.
そして後日, DVD(ハリーポッター(笑))を返却して再びセカンドストリートに立ち寄ると, 8cmポラリスに付いた値段は1万3000円. これは!!!, ということで購入.
果たして...レンズや架台をきれいに清掃してみると, 思ったより無事.
天体望遠鏡の倍率は, 焦点距離の異なる接眼レンズ(アイピース)を使うことで変えられる(対物レンズの焦点距離÷アイピースの焦点距離). 付属の1本(ケルナー式20mm)では低倍率(45倍)だけなので, もっと高倍率(200倍くらいとか)も含め3本くらい揃えておくためにAmazon.co.jpを探す. 今は規格が変わっているらしく, 昔のドイツ規格(直径24.5mm)の品は少なく値段が高い. それで接眼部の部品を交換して今の主流であるUS規格(1.25インチ)にして, そっちのアイピースを... 4/10/23mmの3本セットで4000円弱というのを見つけて購入. この分野でも中国製で価格破壊が起こっているのかも... 最近のアイピースはプレセル(Ploessl)式というものが主流らしいというのもこの時知る.
小学校1年生のときまで昆虫少年だったのが(私もムシみたいだったのかな?), 2年生の夏の家族旅行で鳥取砂丘こどもの国のプラネタリウムを見たとき, 出口にあったアンドロメダ銀河の写真に衝撃を受けて宇宙少年(宇宙人?)に変身. 学生時代まで天体写真とかで夜遊びを続けた後は, 公共施設やひと様の天体望遠鏡を覗かせてもらうくらいだった.
ここに来て再開. 三つ子の魂百までということか...
今後の夜坐の会では天体観望も期待できます. お天気まかせですが...
気まぐれ坐禅会 => 気まぐれじゃなくなった坐禅会+気まぐれ天体観望会!?
合掌