上弦の月がいい感じに南西の空にかかった昨夜, 月明かりで電視観望どのくらい見える!?チャレンジをしてみた.
学校が夏休みに入るこの時期は観望会の依頼などが多くなるが, 今週末は満月に近づく感じで, 天の川を見たい皆様にはあまり条件がよろしくない. 星雲・星団は電視観望だのみになりそう... ということで.
機材: 笠井102SED+0.8xレデューサ(F5.6, f=570mm), ASI533MC, サイトロンCBPフィルタ(1.25"), ASILiveでライブスタック.
架台はSAGTiでノーガイドトラッキング. かなりヘビーで高倍率観望では触ると視野がプルプルだが, 観望とライブスタックくらいなら何とかなるか!?...というところ.
結果は...
ここまで, 比較的条件の良い天頂から街灯にやられている東の空.
月明かりで白いし低くて悪条件の南の空にも向けてみた.
ライブスタックで合計わずか2〜5分の露光. 暑い夜だしダーク減算もしていないのでザラザラの絵を, 少しトーン調整しただけ, トラッキングずれの耳も落としてないしトリミングもしていないが, 悪い感じはしない. 街灯か電線の影響なのか, 端の方に変なムラが出ていたりするが....
この焦点距離と画角(570mmで1インチセンサ)になると, 北アメリカ星雲などのでかいものは対象外になる. 一方, 夏の空の見やすい天体たちを見せるのにはちょうど良いかも知れない.
あまり考えていなかったがSAGTiに102SEDも電視観望用に使えそう.
さて, この電視観望テストのあと, 薄雲が広がってくる中で二重星ハンティング(眼視)をしてみた.
以前, 8"ニュートンや6"カセグレンで光軸を一生懸命合わせて, 「キレイな回折リングが出た!」と思って喜んでいたのだが, Y氏の10cmクラスの屈折望遠鏡を見せてもらっているうちに, 光路に遮蔽のない屈折望遠鏡のエアリーディスクが強く, 回折リングがとても弱いことに気づいた. 氏曰く, 光路遮蔽がないのでエアリーディスクに光量がより集中するのだそうだ. 光路に遮蔽があることで反射系では回折リングへ光量が分散して増えるのだろうか?
二重星の分解で, 回折リングに伴星がかかるような場合は, 回折リングがとても弱い屈折望遠鏡の有利さが際立つということになる.
アンタレスは裸眼で見て瞬いていたのだが, 120〜220倍で見るとエアリーディスクは割と安定して多少ユラユラする程度, 左側(天頂鏡使用, 西側)に緑っぽい小さい光点がチラチラ見える気がした. アンタレスの伴星は5等で西側に2.5"くらいの離隔らしい. もう少し高いときに確かめたい所.
ラスアルゲチ, イルカ座γ, こと座ダブルダブル, アルビレオ... と見てみた. ダブルダブルもスッキリと分解されていた.
口径が小さめでシーイングの影響を比較的受けにくい, 回折リングが弱いということで, 期待通り二重星がなかなかエキサイティングかも.
Zzz...