風来坊@真幸福知

風来坊@真幸福知

始まりは坐禅会のご案内, 思いつくことを何でも書いていたら星空系に... Started with Zazen session info. now almost astrophotos. 시작이 참선회 안내, 이제 별하늘 사진들.

今の日本の状況に対する国際的な目: マッシモ・イントロヴィーニャ氏の記事

BITTER WINTER: A magazine on religious liberty and human rights

(厳しい冬: 宗教の自由と人権についてのマガジン←本来は中国の宗教迫害と人権問題をテーマにしているらしい)

というメディアがあって, そこに Massimo Introvigne (マッシモ・イントロヴィーニャ)という人が現在の日本の状況についての論考を書いている.

この著者は1955年ローマ生まれの宗教社会学者で, 新宗教についての国際的なネットワークであるCESNUR (Center for Studies on New Religions: 新宗教研究センター)の創設者・理事長である. 2011年には, OSCE(欧州安全保障協力機構)の「キリスト教徒およびその他の宗教の信者への差別に着目した人種差別, 排外主義, 差別の根絶活動の代表者」を務めた. 2012~15年にはイタリア外務省が設置した「信教の自由の監視」委員会の議長を務めた.

これまで7本の記事がかかれていて, 日本語訳が公表された.

近年, 諸外国でも宗教が関係した問題で, 本来被害者であるべき側が加害者であるかのようにメディア等から不当に扱われる事件が起こっていて, その例も示しながら日本の状況について述べられている.

ここにまとめてリンクを貼っておく.

(記事のリンクを開くとCookieを許可する窓が出るのでそれは許可か拒否, サブスクリプション登録のメールアドレスの窓は右上のXで閉じればOKです.)

 

1: 鹿を指して馬となす: 安倍暗殺に関するフェイクニュース

2: 安倍暗殺:弁護士たちは「霊感商法」に反対なのか、信教の自由に反対なのか?

3: 安倍暗殺:日本は政治家の信教の自由を否定するのか?

4: 安倍暗殺:統一教会はヘイトスピーチと差別の犠牲者である

5: 安倍暗殺と日本の統一教会:暴徒のつくり方

6: 安倍暗殺:「カルト」という言葉は差別の道具である

7: 安倍暗殺・統一教会への献金: フィクションから事実を分離する

これで7つの記事についての日本語訳が全て公開された.

 

2番めの記事は「霊感商法」という言葉を作り出し, この度も家庭連合(旧統一教会)非難の先鋒に立つ弁護士たちの正体について述べている.

全国霊感商法対策弁護士連絡会の弁護士は、彼ら自身のプロパガンダが主張するような、「カルト」というドラゴンを退治している、光り輝く武具を身にまとった騎士などでは決してない。しかし、これがあまりに簡単に日本のメディアと海外メディアに受け入れられてしまっている。彼ら自身の中にもディプログラミングの問題に対しては異なる立場が存在するが、連絡会の主要メンバーの一部は暴力的な拉致を行う人々や、ソ連のスパイまでも擁護している。また、彼らの顧客によって偽造された偽の文書を判事に提出し、彼ら自身が真実でないことを知りながら、統一教会を誹謗中傷する情報を拡散しているのである。

そもそも, 目に見える問題の背景としての霊的な問題について話し, 信仰に基づいてその解決策を提案し, その中に法具などの購入や献金が含まれることは多くの宗教や, スピリチュアルな活動の中で普通に行われている.

それに対して, 無意味なものにお金を払わせる詐欺だと主張するレッテルとして「霊感商法」という言葉が使われている.

真理に対して謙虚であるならば, 客観的で即物的な証明などできない, 個人の主観や霊性に基づいて価値判断される問題について, 一方的な見方を押し付けることなどできないはずだ.

信仰・信条の問題について一方的な見方から犯罪視する主張を押し付け, マスコミを通じて社会的圧力をかけることは, 信教の自由の不当な弾圧である.

 

3番めの記事の結言にある, 今の日本の最も危険な状況を表す部分を引用しておく:

日本のメディアの中には、政治家は統一教会のみならずいかなる宗教とも協力を禁じられるべきであると厳密に要求する、過激な声も一部に存在する。これは健全な政教分離ではない。それはイデオロギー的であり、反民主主義的であり、差別的な世俗主義である。政治家が統一教会またはその他のいかなる宗教のイベントにも参加する権利、および議席や経歴を危険にさらすことなくその支持者やボランティアの中に宗教者を含めることのできる権利を守ることは、同時にすべての宗教の信教の自由、ひいてはすべての日本国民の信教の自由を守ることを意味するのである。

首相までが自民党議員に旧統一教会関連団体と関係を断つように指示するという状況. 「反社会的勢力」指定とか「破壊活動防止法」の調査対象になっているわけでもなく, 宗教法人解散命令を受けたわけでもない, ひとつの宗教法人に関して, 法的根拠なく社会的圧力によってこのような事態が起こっている.

知らぬ間に信教の自由という最もコアな権利が抑圧されている. しかもマスコミを含む特定勢力の主導で.

よく考えてみてゾッとしませんか?

 

7番目の記事は「献金」について述べている. 結言部分を引用する:

この問題は、突き詰めれば神学的であり哲学的なものだ。信じる者にとっては、献金は深い霊的経験であるかもしれない。無神論者や、統一教会のような団体は「本物の」宗教ではないと信じている人々にとっては、どんな警告も十分ではなく、献金が自由で合理的な選択の成果として認められることがあってはならないのである。

「高額の献金」が旧統一教会に関わるものについてだけ, センセーショナルに報道される. それらのほとんどの番組では数えるほどの同じような弁護士や評論家が登場し, 彼らの主張がすなわち真実であるかのように見せる.

結局, 「お金」は良くも悪くも人を引きつけるのだ.

そして財(お金と物)と時間が目に見えるモノとして人に与えられた, 何かに捧げようとすれば捧げられる存在のたぶん全てだ. 魂を救われたと感じた時, 人はこれを惜しみなく捧げたいと自然に思うから献金し, 奉仕する.

釈尊が教えを解いていた時代にも, 日本では「祇園精舎」として知られるジェーダ太子の土地に建てられた寺院についての逸話がある. スダッタ長者というお金持ちが釈尊にいたく感動し, 釈尊を招いて説法してもらうために建物を準備したいと願った. そして, ジェーダ太子が所有する土地が最適だと知り, それを譲って欲しいと問った. 良い土地を手放したくないジェーダ太子は, スダッタに諦めさせるために「土地に金貨を敷き詰めることができたら譲ろう」と, 到底無理な条件を提示した. しかしスダッタは本当に全財産をはたいてジェーダ太子の土地に金貨を敷き詰め, 譲るように願った. その所業に驚き感動したジェーダはついに土地を譲り, そこに精舎を立てて釈尊を招いた.

以前, 修行させていただいた僧堂での提唱(講義)で, この逸話を話しながら講師ご自身がスダッタのすべてをなげうった帰依に感動して涙をこぼされたのを見て, 私ももらい泣きしたことを鮮明に覚えている.

文鮮明師という, イエス・キリストの願いに献身したが故に92歳の一生を苦労で綴った*男に対して, 同じように感動し帰依する者たちがいることを, どうして否定できる??

もうひとつ, 某本山で聞いた話. 参拝者の受付に来ては何だかんだと長話をしていくおばあさんがいた. 受付の若い(忙しい)和尚さんで手に負えないので古参の(ひまな(笑))和尚さんが出てきて, とにかくおばあさんのよもやま話を聴いた. 愚痴やら文句やら人生の苦労話やら他人のウワサ話やら霊現象めいた信じがたい話まで, とにかく何時間と聴いた末に, おばあさんの口から出てきたのは, 3千万ある財産を寺に寄付するという話だったという.

これもあまたある宗教と献金にまつわるエピソードのひとつに過ぎないのだろう. いずれにせよ, 死ぬときにはどうせ全財産を手放すことにもなるし, 人の心は最終的にお金で買える価値に縛られるものではなく, もっと価値ある目に見えないものに出会った時, 喜んで全財産をも捧げるものというのは真実. その境地が分からない人たちには分からないんだろう.

人は目の前で起こっている出来事を, 自分で理解できる範囲でしか理解できない. 知識の多寡には関係がない. 真理の前に傲慢な人間は理解できないことを気持ち悪がって, あるいは怖れて排斥し, 謙虚な人間は理解しようと学ぶ.

 

【完】

*参考: 平和を愛する世界人として 文鮮明