「頑張る」という言葉が定着しすぎていて, ふとこの字をまじまじと見るときに唖然とするのである.
「頑(かたく)な」に「張る」という意味を考えると, 好きに慣れそうな言葉ではない.
頑なに突っ張ったらできることもできないぢゃないか?
「頑張って!」は鬱に陥ってる人に対しては禁句だとか, そこまで行かなくても既に精一杯頑張って苦しんでる人や, 頑張れないと言ってる人に「頑張れ」とはとても言えない.
こんな記事があった.
「頑張る」の語源は(一説によると)「我を張る」だそうで, つまり自己中心的な欲望を押し出してゆくことらしい.
ところがふりかえってみると, 3.11後の復興の中などで「がんばろうニッポン!」「がんばろう〇〇!」がずいぶん言われて, もしかしたら人々を元気づける一役をかったのかもしれない.
それでも, 「頑張る」という言葉が出てきそうになるとき, ふと考えて立ち止まってしまう. このままで良いのか?
「頑張る 以外」で検索すると, 特に鬱の人には禁句と言われる励ましのセリフ「頑張れ」に変わる言葉遣いについていろいろな情報がでてくる.
例えば...
「頑張れ」の他の言い方27選!励まし達人直伝バリエーションまとめ
いろいろ出てるけど...
- 何も言わずにハグ
- 何も言わずに横にくっついてすわる(うちのワンコがよくやる)
- ひと息ついて
- できるよ/うまく行くよ
- 応援してるよ
- 楽しんでね(場合により禁句)
考えると, しっくりとくる代わりの言葉がなかなか出てこない. 上のリンクには英語のセリフがたくさん紹介されているが, そっちの方がしっくりするかも(Good luck! とか).
「頑張る」の蔓延で日本語の語彙が貧困になっているのか...!?
取り敢えず「頑張る」を辞書から消して暮らしてみることにしましょう.
追記:「頑張って」の氾濫
「ツレがうつになりまして」という映画(もとはマンガ)があって, この中で鬱病で会社をやめた夫が自宅で療養しているところに, 親戚やらいろいろな人が訪れては何の気なしに「頑張って」と言って励まそうとすることが, 如何に本人たちを苦しめるかが描写されている.
それほど「頑張る」という言葉は現代の日本に氾濫し, 空気のごとく蔓延しているのだ.
自身, 「頑張る」を辞書から消して生活してるつもりでも, 何気なく出てくることが少なからずあって, ささやかな闘いを挑んでいる.
頑張りません!
【了】