週末には台風14号が, 結局温帯低気圧には変わらず台風のまま瀬戸内あたりを縦断していくらしい.
先日のこと, 夕方になって晴れ間が広がり, SCWで確認するとこの辺りは一晩晴れが続くらしい. 月が上限を過ぎて満月に向かって順調に太っているが, 位置が南に低いので沈むのは案外早く夜半ごろ. ということで出撃.
結果的にここしばらくの間で貴重な晴れでした.
みずがめ座 らせん状星雲 (Helix nebula, NGC7293): R200SS, GSO 2" coma corrector, Sightron QBP filter, Fujifilm X-T20 ISO3200, 25x5min; APP stack (dark 5, bias 18, flat 20; scaleMD)/light polution correction, Gimp tone/wavelet denoise, RawTherapee WB.
ペルセウス座 カリフォルニア星雲 (NGC1499): Evostar72ED2, Kasai 0.8x reducer, Sightron QBP filter, Fujifilm X-T20 ISO3200, 12x5min; APP stack (no dark, bias, flat), RawTherapee tone/WB/NR.
カシオペア座 ハート&ソウル星雲 (Heart nebula IC1805, Soul nebula IC1848): ハート星雲は以前撮影したもの, 今回撮影したソウル星雲と2枚のAPPによるモザイク合成. 2コマの画角がきれいに並行になってなかったのでピタッと決まらずTT.
ハート星雲: Evostar72ED2, Kasai 0.8x reducer, Sightron QBP filter, Fujifilm X-T20 ISO3200 13x5min, dark 10, flat 20; APP Stack, RawTherapee tone/WB/NR.
ソウル星雲: 機材同上, ISO3200 14x5min, ISO6400 3x5min, dark 5, flat 20; APP Stack, RawTherapee tone/WB/NR.
撮影風景...
↓月明かりの下で(ミラは風よけ兼用(笑)). SX2赤道儀はGPDより少し風には強いかも.
↓月が沈んで満天の星.
APP (Astro Pixel Processor)でのダーク処理で苦労した件
これまでAPP (Astro Pixel Processor)は調子良かったのだが, この日のデータはいろいろあった.
らせん状星雲: 撮影時に月(月齢9.3)があって背景が明るかったせいか, ダーク減算後に黒い点々の連なったノイズが目立った(下の写真:右↓). Biasフレームも使用して'scale MasterDark'をONにすると, 目立つノイズは軽減された. でも色が少し赤っぽくなった(下の写真:左↓).
ソウル星雲: そういうことでscale MasterDarkを使えばダーク減算がよりきれいにできるんだろうと思って, こちらもそうしたら, 色が変になってしまった(下の写真:上↓). scale MasterDarkをやめたらこの異常は出ない. 黒いポツポツが出るが, このように背景が暗いと割と目立たない(下の写真:下↓).
カリフォルニア星雲: scale MasterDarkの有無を試したが両方とも思わしくない. 上の2ケースと比べてlightのコマ数が少ないのも原因のひとつかも(寝てる間に雲が来てたらしく, かなりボツのコマが出たTT). それで結局, dark/bias/flatみんなやめてlightをスタックするだけにした. 画角の左端に出る熱ノイズは諦めてトリミングした結果が上の写真. まあそれなりに行ける.
今回はdark撮影でシャッター速度設定をまちがって時間をロスした. dark撮影のとき周囲が明るくなってからだと, 光でノイズが増えたりする疑いもある. 早めに, 多めに撮っておくのが良さそう. 機材のセットアップ中とか, 雲が来たときとか.
ダークでホットピクセルが(被写体に対して)少しずつズレて, 結果的にダーク減算後に黒い線になる. ガイドの精度の問題なのか? もっと良い補正方法があるのか? ダーク補正の不明点がある.
つづく...