外国に住んでいると国政選挙の際には領事館で在外投票ができる. 予め在外選挙人登録の手続きをしておくことが必要. (国内の住所地から転出して3ヶ月以上外国に滞在していると申請できる.=> 外務省: 在外選挙人名簿登録申請の流れ)
投票のことを調べた時に, 領事館のWebサイトで釜山市が戦後(光復後)建てた日本人の遺骨, 位牌を集めた慰霊碑「日本人冢移安之碑」というのが釜山市立公園墓地にあるという話を見た.
ということで, 投票の帰りにお墓参りに...
終戦時に釜山には約5万人の日本人がいたが, 引揚げのとき放置された遺骨や位牌が市内に散在しており, 1962年の斎場移転の際に当時の釜山市長金玄玉氏が人道的配慮からそれらを集めて日本人冢移安之碑を建立. その後1991年に都市再開発計画により現在の釜山市立公園墓地内に移転されたとのこと.
「日本人冢移安之碑」と刻まれた日本式の墓石と, 左側には家名が記された石版.
周辺にはいくつかの慰霊塔があるが, その中に太平洋戦争で戦死した韓国・朝鮮人兵士の慰霊碑もあった. 日本軍の兵士として戦死した南北あわせて21709名に対する慰霊碑.
近くには, 2001/1/26 新大久保駅で線路に転落した日本人男性を助けようと線路に降りて犠牲となった韓国人留学生, 李秀賢氏の墓もある.
公園墓地全体はこんな感じの広大な霊園が広がる. 葬祭場もある.
チュソクが終わって間もないためか, 供えられた花は色鮮やか. (造花が多い!?)
最近の(事あるごとに...かな?)いろいろな問題で日本では(少なくともマスコミやネットは)韓国に対するネガティブなイメージが強くなっているみたいだが, こういう普遍的な義理の部分に触れると少しホッとする気がする.
戦後の引揚げの際には支配者であった日本人が一転して追われる身となり, 命からがら逃げてきた話を耳にするが, 韓国人の中にはそういう日本人を保護して無事に帰国させるようにはからった人々がいることも知っている.
最近, ある慰霊祭で読経を頼まれて(結局予定が変わって無くなったが), 戦没者, 殉国者のための法語の例を探したらこういうのがあった.
故国敗るる時 色即ち空
怨親倶に断えて頭をめぐらし見れば
月, 虚空を照らして路の通ずる有り...
月光に照らされた虚空の中の路はどこへ通ずるのだろうか...