ZTF彗星は2/2に地球最接近するという. 一方で月はだんだん太って2/6は満月, 2月に入ると月明かりが夜を蝕んでゆく... 月があまり太らないうちに, 夜半すぎには暗い夜空になる時期にアタックした方がよさそう.
ということで, 山陰では雪が積もった1月末に岡山の美星町にほうき星撮りに行ってきた. 上弦すぎの月は夜半すぎに沈み, 明け方までは快晴の星空が見られた.
さすがに地球に近づいている(0.3au)ということで動きが速い. 一晩で数度動くので短時間露光(1分)でたくさんとって, 彗星核を基準にスタックしないと彗星は流れてしまって見えない.
周りの星も見たいので恒星基準でスタックしてみたら, こんな感じ.
やはり彗星は流れて形も分からない. 彗星の左上には小さな銀河(NGC2655, 2715)が見えたりする. 止まっている星空を背景にして彗星も止まった絵ができたら魅力的で, PixInsightを使うと作る方法があるらしい(↓下に参考記事)が, 面倒そうなので当分は手が出ない.
Vixen SD60SSでも撮っていた. 上のNIkkor ED180mmと比べて目立ってよく写ったわけではない.
短時間露光で勝負になるとFが少しでも明るい方が良さそうかも.
明け方までずっと晴れていたので, 広角で目で見た感じに撮ってみた.
月が沈んで暗くなると, 単眼鏡で確認してからその辺りを裸眼で見ると, 彗星がいるのが見えた. 5等くらい?
気温は-5Cまで下がって機材は霜だらけ. 放射断熱フードのおかげでレンズは無事だった:-) (露よけヒータを巻いていたがモバイル電源と相性が悪く?消えていた)
止まった星空を背景にした彗星の絵を作る方法
彗星と星たちの両方共流さない画像を作ることも, PixInsightではできるらしい.
彗星核基準でスタックするときに流れる恒星像を消して(Linear Fit Clipping?)彗星だけの絵を作り, それを各フレームから引いて恒星だけのフレームにしてからスタックすることで恒星だけの絵を作り, それらを重ねる, ということらしいが, 今はPixInsight持っていないし, かな〜り面倒な処理みたいなので当分は(永久にかも)手が出ない...
(追記: Starnet++で恒星の軌跡を消す方法もあり, それだと他のソフトでもできるらしい)
みちくさ
ところで, 撮影地に行く道でふらっと立ち寄った美星天文台では金土日月に一般観望ができる(受付21:30まで, 観望時間は1グループ約30分)らしい. 今まで開いてる時間に通りかかったことがなかったので知らなかったのだろう. 駐車場に他の車はなかったが, 初めて開いているのを見たので, とりあえず入ってみた.
101cm望遠鏡による観望ができるのがウリらしい. 入館料300円.
天文台へ上がる階段のわきには面白そうなモノたちが...
展示の中に, 彗星ハンターとして有名な本田實氏(1913-1990,鳥取出身,倉敷天文台)の愛用されたシュミットカメラが.
さて, 101cm望遠鏡.
他にお客さんがいなかったので, 月, 木星, アンドロメダ座γ星(二重星), カストルなど見せていただいたが, あいにく悪シーイングで全てがボウっとしていた. それでも101cmの集光力(月明かりがあったが)が見たいのでお願いしてM42を見せてもらったら, 中心部がザワザワした感じで緑色(!)に見えた. 色が感じられるというのは大口径ならではかも, と思った. トラペジウムはシーイングが良いと6個見えると職員の方が言ってたが, このときは普通に4個が辛うじて分解してる感じ.
天文台にはスペースガードセンターの施設があって, スペースデブリを監視してるらしい.
【了】