先日のこと.
子と一緒にわんこの散歩の帰り道, 墓地でカラスとネコが喧嘩をしているらしいけたたましい鳴き声が聞こえてきた.
行ってみると, 喧嘩じゃなく子ネコがカラス2羽に襲われている.
人が近づくとカラスは離れる.
ネコをよく見ると, 両方の後ろ足が力なく伸びて下半身が血に染まっている. 片方は開放骨折.
もう助かりそうにないと思った. たとえ助かっても両後ろ足が動かなければ生存も難しいに違いない.
それでも, 出会ってしまったご縁もあるし, まんまるな眼で見つめられてしまったし, カラスに襲われながら死んでいくのを放っておけない気がして, カラスたちには悪いがネコをつれて帰った.
血と排泄物で汚れた下半身を洗って, タオルを敷いた段ボール箱に寝かせて, ミルクの入った皿を置いて一晩玄関に泊めることに...
しばらくすると安らかな寝息を立てて眠った.
朝, 排泄物で汚れてしまっていたので, また洗ってタオルを取り替えた. ミルクは飲んでいた. 皿に水を入れ, 再び寝かせた. 夕方より元気がなかった.
昼前に見ると, もう息をしていなかった.
生命が終わると体はぺちゃんこになるようだ. そしてハエが一匹.
生命というのは不思議だ.
同じ体がそこにあるのに, 生きている時と死んだ時ではずいぶん雰囲気が変わる.
死にそうなネコをつれてきて一晩寝床を提供する. 死んだら葬る. 意味があるのかどうか知らないが, その姿を見てここに記すのもご縁だろう.
少なくとも, 子はネコ・生死・云々につき一晩いろいろ考えたらしい.
多くの生き物は人より短い寿命をもち, その生死の姿を見せてくれる. いろいろな運命を受け容れる道を教えてくれる天の使いなのだろうか?
<合掌>