風来坊@真幸福知

風来坊@真幸福知

始まりは坐禅会のご案内, 思いつくことを何でも書いていたら星空系に... Started with Zazen session info. now almost astrophotos. 시작이 참선회 안내, 이제 별하늘 사진들.

オールドレンズの解像度は?

もともと手元にあったNikon200mm望遠レンズで天体写真を...と思い立ってFujifilm X-E2というミラーレスカメラに手を出したのだが, 結局Fujifilmの今時のレンズは評判は良いが高いので, その後もヤフオクNikonのオールドレンズ愛好家という人生になっている. (Made in Japanと刻まれたAFなしのスリムなレンズはけっこうハマるかも(笑))

昔, フィルムの一眼レフカメラを使っていたころ銘玉と言われた高価なレンズたちも, 設計技術も変わっている今時のレンズ(AF完備で非球面, EDは普通?開放から使える!?)と比べると色収差が大きかったり云々で, とくに星のような点像の集まり(収差が目立つ)には好んで使う人もいないらしい. それで中にはとても安く入手できるものもある. そういうのが私の道具になる.

最近, 安価に入手できる唯一のFujinonレンズ(?)XC 16-50mm標準ズームというのを手に入れたのと, 昔のNikonの50mm F1.8というのが手に入ったので星を撮る50mmレンズにはどれがいいのか?を確かめるためにテキトーな撮影テストをしてみた. 星は開放だときびしい(周辺像が乱れるし周辺減光が目立つようになる)ので例えば50mm F1.4のレンズではF2.8まで絞って撮る. ではF1.8のレンズとF1.4のレンズを両方共F2.8で使うと, 果たしてどちらが良いのか?みたいなことである.

テストしたレンズたち:

  • New Nikkor 50mm F1.4 (Aiじゃないやつ): F1.4, 2.8, 4, 5.6
  • Ai-S Nikkor 50mm F1.8: F1.8, 2.8, 4, 5.6
  • Ai Nikkor 24mm F2.8: F2.8, 4, 5.6
  • Ai Nikkor 135mm F2.8: F2.8, 4, 5.6
  • Ai-S Nikkor ED 180mm F2.8: F2.8, 4, 5.6
  • Fujinon XC16-50mm F3.5-5.6 ズーム: 16mm F3.5 (広角端, 開放)
  • 同上: 50mm F5.6 (望遠端, 開放)

(ちなみにAiというのはArtificial Intelligence(人工知能)ではない(笑). Auto Iris (自動絞り): 一眼レフカメラでシャッターを押す瞬間に絞りが設定値まで絞り込まれ, また開放に復帰する仕掛けに対応したもの. だが, レンズが人工知能になったらどうなるのだろう??「構図がイマイチですね」とかしゃべる?(笑))

最後のは今時の廉価版標準ズームで, 50mm F5.6が昔のNikonとどうか..というところに関心.

テストは新聞の文字がいっぱいの面(山陰中央新報2019/12/27 11-18面)を壁に貼って撮影するだけ. 文字の解像に充分な画素数で撮って中心部と四隅を見る. 以下の画像は中心と四隅を切り出してまとめたもの.

まずは50mm

New Nikkor 50mm F1.4:

F1.4

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F2.8

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F4

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F5.6

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Ai-S Nikkor 50mm F1.8:

F1.8

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F2.8

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F4

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F5.6

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Fujinon XC16-50mm F3.5-5.6 ズーム: 50mm F5.6

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確かに今時のFujinonズームは開放(5.6)でもキッチリとした像だが, F5.6ならオールドレンズも大した違いはない. Fujinonは50mmで画角がNikonより少し大きい. Nikon 50mmのF1.4と1.8では, 開放では1.4がかなり甘い感じだがF2.8では2つの違いはあまりない. しかし細部を見るとF1.8の方が解像度とコントラストで勝っている. 明るさやボケの大きさを求めず2.8に絞って使うならF1.8が良いかも. このレンズは薄型でとてもコンパクトだし.

広角レンズ

Ai Nikkor 24mm F2.8:

F2.8

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F4

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Fujinon XC16-50mm F3.5-5.6 ズーム: 16mm F3.5

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広角は広範囲の入射角の光を集めて平面上に焦点を結ばせるという離れ業をやるわけで, 球面を駆使してやるのはとても難しそう. やはり今時のレンズに敵わないかも.

望遠レンズ

Ai Nikkor 135mm F2.8:

F2.8

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F4

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Ai-S Nikkor ED 180mm F2.8:

F2.8

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F3.5 (2.8と4の間)

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F4

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星雲・星団・銀河・彗星などを撮るのに使う明るい望遠だが, 今は1万円前後で中古品が流通している. 180mmはEDガラスを使い銘玉と言われた品. 開放では周辺減光がやや大きいので1絞り絞って使えば良さそう. 180mmは周辺像が開放〜F4まであまり変わっていないように見える. 半絞り or 開放でも行けるか?

まとめ

昔のNikkorも標準〜望遠では適当に絞れば充分使えそう. 広角は今時のFujinon廉価版に負けるかも...

おまけ

お手軽コンデジCanon Powershot S200で同じことをやってみた. 意外なのは, 絞りを絞っても必ずしも像がシャープにはならないこと. 収差の問題以前に口径が小さいので絞ることで回折の影響が出るらしい. そのくらい詰めた設計になっているということ?

広角端(5.2mm) F2

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広角端(5.2mm) F2.8

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広角端(5.2mm) F4

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望遠端(26mm) F5.9

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望遠端(26mm) F8

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追記(2020/2/28): Fujinon XF 18mm F2

今時の広角レンズで同じテストをやってみた. 被写体は読売新聞2020/1/29 1-30面.

F2

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F2.8

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F4

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F5.6

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結果は, やはり開放(F2)では周辺像が甘い. F2.8でかなり改善し中心部はシャープになる. F4が中心, 周辺ともにベストのようだ. F5.6まで絞ると少し劣化する. 回折の影響が出てくるのかも.

結論

オールドレンズは広角では今時のレンズに負ける. 50mm以上では高いコストパフォーマンスでいい勝負になる物があるというのが結論. Nikkor 50mm F1.8 (=>F2.8), 135mm F2.8 (=>F4), ED 180mm F2.8 (開放 or =>F4)は良いかも.

今時の広角 Fujifilm XF 18mmF2は巷では開放からOKという話も見るが, F4に絞って使うのが良さそう. ところでこのレンズ, うわさ通りAFの音がかなりうるさい. 静けさが必要な撮影(講演会やコンサート?トカゲの観察?)にはNGかも(笑).