[日本語] [English]
これまでEQ5用のモータードライブをGP赤道儀につけて, 15cm F5反射望遠鏡の直焦点で星雲など, アイピースによる拡大撮影で惑星を撮っていたが, 惑星はミラーレスのFujifilm X-E2でJPGやムービーで撮るのに限界があると感じ始めて動画が撮れる天体用CMOSカメラの安いのがないかなぁ〜と探していたところ, ZWOというメーカーのASI120MC-Sというのがバーゲンになっていたのを発見.
さらに, このカメラにはST-4互換のオートガイド端子というものが付いている.
さらに, EQ5用のモータドライブコントローラには簡単な工作でオートガイド用のポートが付けられるという話もある♫
stargazerslounge.comthx8411.over-blog.com
そんなようなことでASI120MC-Sを購入し, モータードライブのコントローラをいじってオートガイドにも手を染めることに...
まずは惑星写真を撮ってみると...
(ZWO ASI120MC-Sで撮影: 15cm F5, PL6.3mmで拡大, RGB24, 960x720, 露出190ms Gain 100%, 5.3 fpsで動画撮影, 862コマから5%をスタック, wavelet処理 (Registax6使用))
今までX-E2でJPGで撮っていたものよりカシニ間隙がよく出ている.
最近あまり晴れないので木星が撮れないが...
次に, オートガイドへ....
接続はこんな感じになる.
カメラ〜PC: 付属のUSBケーブルで接続. PC(Linux)でPHD2というソフトを使えばオートガイドできる.
カメラ〜モータードライブのコントローラ: ST-4互換ケーブルで接続. カメラから出る信号で赤経, 赤緯の補正操作をする. うちのは赤経モーターだけ使っているので, 1軸オートガイドということになる.
PCからカメラを制御して(モーターへの信号もそっちに出す), カメラのST-4ポート経由でモーターへの信号が送られるということらしい.
工作が必要なのは, モータードライブコントローラにST-4ケーブルをつなぐポートを追加すること. 上のサイトを参考にしてみるが, 2つのサイトの記述には端子の配列の説明などに矛盾があったりしてよく分からない.
ASI120系のカメラのマニュアル(Software Manualというやつ)を見ると, こういう図があって, 端子配列はたぶんこれが正しいのでしょう.
端子配列の図はいろいろなサイトにあるのだが, どの向きから見た図なのかが明示されていなくて悩むことが多い. こういう写真なら間違えることはない.
ST-4ケーブルというのは要するに6極6芯のモジュラーケーブル(RJ-11またはRJ-12 6P6C)(形状は電話用と同じだが普通の電話用はリード線が4本か2本でだめ)であり, コントローラに端子を付けるためにこの種のケーブルがもう一本必要. ということでAmazon.co.jpでuxcellというメーカーの物を購入. モノによってはリード線の被覆を剥くのが難しかったり, 剥いた後のリードが切れやすかったりして使いにくいことがある(ミヨシMCOというブランドのがそうだった)が, これは使いやすかった.
リードの配列と色はこうなっている.
上のカメラの端子図と比べると, 色と役割はこうなる. (右から順に)
青: NULL 不使用
黄: GND
緑: +RA (right, west)
赤: +DEC (up, north)
黒: -DEC (down, south)
白: -RA (left, east)
下の4つはコントローラの方向ボタンに対応しているということ. なので, コントローラを開けてリードを基板の端子にハンダ付けしたものはこうなる.
モーターはRA(赤経)だけ使っているのでDEC(赤緯)の補正はいらないがケーブルを遊ばせておくのもなんなので一応付けてある. NULLの青ケーブルは箱の中であちこち当たらないように切り詰めてある.
上に引用したサイト"EQ5 Dual Axis ST-4 Guideport Mod"と同じ色配列のケーブルを使っているにもかかわらず違う感じになっているが, これでPCにつないでPHD2を起動してみると, 正しく動いているようなので, これで良いのでしょう.
できあがり.
PHD2で動作確認するためには, Tool/Manual Guideを開いてWest/Eastのボタンを押してみると良い. 接続が正しければ, Westでモーターが倍速, Eastで停止になり, それに応じてコントローラの中央のLEDが緑から赤に変わるはず.
晴れたらオートガイドのテストを...
追記(2019/9/30) : 四国カルスト(1400mの高地)での撮影で使ってみた. うまく動いてるらしい.
追記: 結局のところDEC復活:-)
「一応付けて」おいて良かった. 彗星の核でガイドする必要が生じたら, RAとDECを両方動かさなければならないではないか. それでDECのリードを再び接続. ちゃんと動いている.