はるか昔にポータブル赤道儀(手動)を作ったことがある. それよりもっと簡単なやつ, しかし小さい望遠鏡をカメラ用三脚に乗せるときの水平垂直微動装置としても使えるモノというアイディアがふと降ってきて作ってみた.
L型アルミアングル(厚さ3mm, 30x30mm)で製作.
白いマークがしてあるのが水平兼赤経微動. これを1分で1回転の速度で回せば, 極軸は星の日周運動を追尾する速度で回転する.
微動ネジにM6(ピッチ1mm)を使っていて極軸からの距離を229mmにするとハンドル一回転による極軸まわりの回転がatan(1mm/229mm)=0.25度. 日周運動による1分あたりの回転, 360度/(24x60分)=0.25度と同じになるという仕掛け.
1分1回転というのは, 標準レンズくらいであれば10秒位までの露出なら星は流れず点に写るので10秒毎に1/6回転ずつ回すくらいで良い. 一定速度で回し続ける必要は無いので気楽にできる.
ホントは六角星型のハンドルがやりやすいのだが, 五角星のしか見つからなかったのでこうなっている. 12秒に角ひとつ分回わすか...? しゃべってくれるストップウォッチが欲しいかも.
裏はこんな感じ. 押しバネで広げてネジで押さえる. 微動ネジはL金具に切った雌ネジに通してあるだけで反対側にストッパ等は無いので, ネジを完全に弛(ゆる)めてしまうとボヨヨ〜ンと抜けてしまう(笑)
小型の天体望遠鏡(先日のSkyWalker)の微動装置として使うときはこの架台を三脚につけ, その上に自由雲台などを載せてその上に望遠鏡を取り付ける. (BKP150のガイドスコープとして使うときはこの架台をBKPの鏡筒バンドに載せる)
コンデジなど(広角〜標準レンズ)をガイドして星野写真を撮るには, 極軸を北極星に向ける. (垂直微動は極軸を合わせた後は動かさない) 側面に書いた35度と40度の線を見て, 居る場所の北緯に相当する線が垂直になるように傾ければ極軸は北極星の高さを向く. あとは水平方向に北極星の方向に向ければOK.
そのくらいの粗いセッティングでも広角〜標準レンズで数分のガイド撮影ならたぶん大丈夫(と思う).
観望(6cmだけど) or 星野写真の携帯セット(案).
このくらいなら車じゃない旅行にも持っていく気になるか...ならないか...う〜ん(笑)
追記: テストしてみた
庭でテスト. かみのけ座〜うしかい座の辺りを30s露出で撮影. ガイド有り(上)と無し(下)を比較すると, ガイドなしで星が東西に流れているのに対し, ガイド有りで一応点に写っている.
(撮影データ: Canon PowerShot G7X, ISO400, f=15.4mm, F3.5, 30s. 上は5枚撮影したものをスタック. 下は1枚だけ. RAWで撮影して色調調整したあとJPGに出力.)
撮影はこんな感じで.
極軸を合わせるために「ぺんてる」の筒をテープで貼り付けている.
標準レンズくらいの長さでは一応使えそうということで.