風来坊@真幸福知

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デジタル・ディバイド(digital divide) vs カメラのキタムラ

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(2018/2/8の雪, 父撮影)

 シゴトの文書処理が手書きからワードプロセッサ(ワープロ)へ, そしてパーソナルコンピュータ(パソコン)へと変遷していった1990年代, 私の両親は教師として勤めながらワープロを始めるか, そのまま手書きで行くかを選択した(できた?)世代だった. 結果的に母はワープロを始め, 父は手書きを取った. 今80前後の歳になった両親は住職と秘書のように役割分担してやってきた.

いつの頃からかデジタル・ディバイドという言葉が聞かれるようになった. IT技術の恩恵に与(あずか)るためには当然ながらその手の機器の操作ができることが必要になる. キー・タイプとか, マウス・クリックとか, そのうちにタッチパネルとか, 最近はスワイプだのフリックだの(私もここらへんからついて行っていない(笑)), それまで経験の無いマン・マシン・インターフェイスに順応できるか, コンピュータに言うことを聞かせるコツをつかめるかどうかが, 生活の中で「できることの範囲」に差をつけてしまうようになった, というほどの意味らしい.

母は一応ITに順応してきた側で, 父はその外側にいるというわけだ.

ところで, 私が幼かった頃, 父は写真を趣味としていた. 屋根裏部屋に怪しげな暗室があり, 引き伸ばし機や印画紙を現像するバットなどが置いてあった. 父から譲り受けた古いカメラ(オリンパスS2(F1.8でいいレンズなんだと聞かされたのを覚えている)とコニカなんとか(こっちはF2))で星座の写真を取ってみたり, そのうちバラバラにしてみたり(二度ともとには戻らなかった), というのが私の小学校低学年の頃の想い出であり, 今の仕事上のスキルにもつながる原体験だ.

その後父が購入したもののあまり使っていなかったニコンFEを大学時代まで存分に活用させていただいた. 2000年代になって実用に足る100万画素以上のデジタルカメラが安価になり, 私はコンパクト・デジタルカメラの愛用者になった. その後の写真は何万枚あるか分からないが, 家族や日常生活や旅行先の光景が色褪せることもなく, ほぼ完全に保存されている. (娘が幼稚園に入った時の写真はフィルム, その後くらいからJPEGか?)

デジタル写真時代の到来は, 趣味としての写真の撮り方や保存のしかたを完全に変えてしまった. 何千枚シャッターを切っても以前のようにフィルム代を気にすることは無い. 代わりに, その何千枚の写真を全てL版にプリントして台紙に貼ったアルバムとして整理することは不可能になった. 取った写真はハードディスクに年ごとやイベントごとのフォルダ(ディレクトリ)を作って放り込んでおくだけ. 旅行や会った人や印象的なできごとをテキストファイルの日記として書いておけば, あとで「◯◯に行ったときの写真は...」と探すのに苦労はしない. 気に入った写真は大きくプリントして飾ったり, パソコンや携帯電話の背景画像として使ったり, Facebookやブログに載せたり(最近の若いのはFacebookはあまり使わないらしいが...インスタなんとか..?), たぶんデジタル・ディバイドの「こっち側」の皆様は「そうそう」とうなずかれることが多いのではないかと思う.

さて, フィルムのカメラが消え去った今, 父もまたコンパクト・デジタルカメラの愛用者となった. しかし考えはまだデジタル・ディバイドの「向こう側」である. そこで母との間に軋轢が生じたりする.

「折角たくさん写真をとっても...まったく焼いてくれんから, 見られんがなぁ」

「そぎゃんこと言っても全部プリントさかと思ったら...そげん簡単なことだないけんねぇ」

注)「焼く」=プリントすること. 昔, 写真のプリントを「焼付け」といった.

という具合である.

私から見ると, まあ確かに全部L版は不可能だけど, インデックス・プリントみたいなのは作ってあげたいもんだ, と思ったりする. 正月に敢えて, 取ってある写真全部を, A4に8枚/頁くらいで大きめのインデックスプリントをやってみた(エプソンのE-Photoというソフトを使用). 結果は...やはり全部プリントはかなりの時間とコストがかかる. (A4の薄い光沢紙50枚で1000円, インクがほぼ1セットで5000円くらいか?)

今回ちょっと所用のため帰宅したときに, 先日のお寺参りと大雪の写真のプリントを頼まれたが, 時間もないので全部インデックスは考えず, 適当にいい写真を選び, 写真店のサービスを利用してはがきサイズ(KGサイズ)のプリントにすることにした.

blog.kitamura.jp近所でデジタル写真のプリントができる写真店を探すと, 意外とないもので, 結局以前から知っていた「カメラのキタムラ」に行った. (日本の)コンビニ店舗ではコピー機でPDFファイルや写真のプリントができるが, 写真については使い勝手や画質が今ひとつである.

キタムラにはデジタルカメラのメモリカード(SDカードなど各種対応)を持って行って自分で写真やサイズ, 撮影日付を入れるかどうかなどを選び, プリントを注文できる. 10枚位のプリントならば5分くらい店内で待っている間にできあがる. KGサイズは1枚39円.

店は空いている. やや年輩のおじさんや, 子供連れの若いお母さんなど数人. だから(?)店員さんが親切に操作を教えてくれる.

これはデジタル・ディバイドの被害意識を密かに持ちつつデジタルカメラのデータをもてあます年輩の写真ファンには, 最適の環境が提供されているではないか!!

「お父さん, カメラのキタムラに行きましょう!」

(完)