風来坊@真幸福知

風来坊@真幸福知

始まりは坐禅会のご案内, 思いつくことを何でも書いていたら星空系に... Started with Zazen session info. now almost astrophotos. 시작이 참선회 안내, 이제 별하늘 사진들.

Linux廃人の週末

韓国の人たちがわりと気軽に廃人(ペイン 폐인)という言葉を使う. 本当の薬物中毒やアルコール中毒, 精神的・社会的な困難のために人間らしい生活(いや, 人間とは昔からそういう可能性をもった存在だ?)ができなくなる深刻な場合ではなく, 例えば女子が多忙のために化粧や衣服にも気を使わなくなってしまった状態, 研究職なんかやってる男が長く一人住まいをしているうちに部屋の掃除もしなくなって荒れたところで昼夜も分からないような生活をしている状態(私じゃありません, 念のため), 学生が友達づきあいもせず学校のテストも気にしないで数学とかプログラミングとかに没頭してる状態, など(いずれも実際の会話で使われた例)があてはまるようだ. 良く言えば何かに没頭して人目もなりふりも気にしない状態という意味らしい.

Linux(リナックス, ライナクス, リニュクス(韓国の人がそう発音する))というオペレーティングシステム(OS)がある(もったいぶらなくてもこんな所を読んでる人はとっくに知ってる?). 私のような年代の計算屋にとってはかつて大学や研究所の研究費を何百万円も出して買わなければならなかったUNIXワークステーション(SunとかHPとか)の計算環境が数万円のパソコン(PC)と無料ソフトで実現できてしまうのだから狂喜するような夢のような時代(誰でも計算できるからウカウカしてられない時代とも言う)を開いてくれた存在である. マイクロソフトWindowsが動いているPCにインストールすれば, Windowsのかわりにもっとスマートでユーザー思いな環境を提供してくれる.

WindowsにしてもMacにしても, それは会社の利潤追求がおそらく第一の存在目的なので, 何かしら継続的にお金をとれるような仕組みが仕込まれていて, それが実はユーザーにとっては別にありがたくもないことだったりする(要らない機能とか, 必要のない目新しさとか). Linuxのようなフリーソフトウェアの場合, それ自体の機能はお金を取るためのサービスからは独立した立場にあって, ユーザーにとってありがたいものだからユーザーの支持を集め, 付随する利用支援などのサービスや書籍を提供する会社が存在できるという, ちょっと違ったビジネスモデルの上に成り立っている(と思う).

ただ, Windowのように特定の会社が独占的に料金をとって提供しているサービスじゃないので, 世の中のすべてのPCでちゃんと動くように周辺機器関係のソフトやユーザーサポートがあるわけではない. その分, ユーザーの負担やリスクがあることは事実だ. (よほど最新のとか変わったモノでなければ大丈夫)

まともな人は, UNIX環境が本当に必要なネットサーバーや計算やプログラム開発の部分にだけLinuxを利用しようとする. その場合, それ専用のコンピュータに限定してLinuxを入れるとか, 普段使うPCのWindowsはそのままで, その中に仮想マシンとしてLinuxを入れる(Windows PCの中にLinux PCが入ってる感じ, わかります?)という手段をとる. これでも充分にその恩恵を受けることができる.

さて, あまり普通じゃない人は, 昼夜自分の忘れっぽい頭の代わりに雑事を記憶してくれたり, 手足にはならないがペンやそろばんになって知的作業を助けてくれる目の前のノートPCをLinuxそのものにしようと企む. 私は20年余り研究現場の多くの人たちを見てきたがそんな人は自分以外に会ったことがないから本当に変わった人なんだろうと思う. ノートPCにはデスクトップ機などにはない電源管理(節電やスリープ)やWiFi接続, Bluetoothなどがあってそういう周辺機器のコントロールに関わる部分が多少ややこしい場合がある. だから, とりあえずWindowsでまともに動いてるノートPCをわざわざ(ソフトウェア的に)破壊してLinuxで組み直すなんて面倒は普通やらない.

最近はLinuxも相当普及して, 私が直接は会ったことのない"同類"(及びもっとずっとすごい人たち)が世界にはたくさんいるらしい. というのは, ノートPCでもLinuxをインストールすればとりあえずWiFiとかスリープとかもちゃんと動いてくれることが多くなってきた. (つまりそういう所の面倒をみてる物好きが相当数いるってこと) 微調整(自分のデスクトップを好みの配置にするとか, 家やオフィスのプリンタで印刷できるようにするとか)に多少手間取ることはあるが, まあ週末1回をペイン(廃人)暮らしする程度で解決する. こだわらなければ2〜3時間でインストールから調整までできる(同僚に頼まれた計算用のDell製のでかいノートPCとかの場合, 適当に済ませちゃう).

最近, 長らく愛用してきたパナソニックの小さいノート(CF-J10)の10.6インチの画面(小さい上にコントラストが今ひとつ)が老眼にきつくなってきたのと, タッチパッドのボタンがヘタってきてやや不満が募っていたところに, 韓国のLG社のgramという1kg以下で薄くて13インチ, 薄いのに普通サイズのUSBポートもある, 日本ではCore-i3, 4GB RAM, 180GB SSDというちょっと抑え気味のスペックだけだが韓国ではCore-i5, 8GB RAM, 256GB SSD, しかもOSなし(!)のラインアップもあるというDream Machine(これは夢か! と思うような製品)が出てきたりして, 心が動いてしまった. (衝動買いとも言う)

ちなみに, 韓国製のPC, 国内(韓国のね)ではサムソンやLGをよく見るが外国にはあまり進出していないようだ. とくに日本では, 小さいサイズのノートが日本のお家芸だからか今までサムソンやLGを見ることはなかったと思う. (携帯電話のひところのシェアを思えば意外だが) そのLGが最近gramをもって日本進出してきたのは大きな挑戦ではないか. 日本のパナソニックも実は似たところがあって, レッツノートは日本のビジネスマン必携みたいになっているが, 海外の通販サイトでPanasonic laptopを検索すると, タフパッドという工事現場用みたいなやつ以外にはほとんど出てこない. レッツノートは実は国内向けの精鋭的な品のようだ.

https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_laptop_brands_and_manufacturers

私はLGのスマホを使うようになってから, 実はLGファンである. 少なくともスマホ(あまり高くないやつ)についてはサムソンや日本メーカーよりLGが使いやすくユーザーの身になってよく造られている印象をうける.

土曜日をLinux廃人として過ごした結果, 軽くて老眼にもやさしいLinuxノートになりましたとさ. 今後気になるのは実際の耐久性, 何年使えるか...

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(腕時計が外してあるのは, オフィスの机で使ってみるとキーボードの前の張り出し部分がちょうと腕時計のベルトと干渉して不快なのに気づいてしまったから..)

型式: LG gram 13ZD970-GX50K (13インチ, ZDがOSなし, GX50はi5, 8GB, 256GB SSDで大容量バッテリ; 940g! お値段120万ウォン)

OS: Ubuntu MATE 16.04LTS

 

バイス認識で手こずったのはWiFiタッチパッド.

WiFi : Intel AC 8265 => iwlwifi

最初に最近使っていたLinux Mint 18.1を入れてみたらWiFiバイスが認識できず, いろいろやったけどダメなのであきらめた (挫折1). Ubuntu MATEではOK.

 

タッチパッド : Synaptic製

Xの昔ながらの操作で"中ボタンでペースト"というのがあり, ボタン2つ同時クリックで中ボタンをエミュレーションという常套手段が通じていたのだが, どうもこのモデルは両方同時クリックが機構的にできないらしい(挫折2 orz). それで, Synapticのタッチパッドの設定用のコマンド"synclient"で以下のようにすると, 一本指タップ=左ボタン, 二本指タップ=中ボタン, 三本指タップ=右ボタンとなり解決.

$ synclient TapButton2=2

$ synclient TapButton3=3

 

IBUS Hangulでハングルのティオスギ(文節ごとの空白挿入)に問題!? (挫折3 orz orz orz)

https://github.com/ibus/ibus/issues/1847

デフォルトのIMEはFcitxとなっているがあまり好きじゃないのでIBUSをいれる. (日本語:mozc, 韓国語:hangul) すると韓国語の空白挿入位置がずれてしまう問題が発生TT

例: 나는 한국어도 써야 되는데 이러면 안돼요. => 나 는한국어 도써 야되는 데이러 면안돼요.

こういう症状についていくつか記事を見つけてハマった〜と悩む. が, ibus-gtk*というパッケージを入れると治るらしい. それで解決.

 

デスクトップの起動時にBluetoothWiFiをOFFになるようにしたい.

wirelessデバイスのON/OFFは"rfkill"コマンドで制御できる.

$ rfkill block bluetooth

$ rfkill block wifi

$ rfkill block all

"block"でOFFに, "unblock"でONになる.

タッチパッドとwirelessの設定コマンドをファイルに書いておいてMATEデスクトップのStartup Applications (MATEメニュー/Preferences/Startup Applications)で実行するようにしておけば良いのだが, たぶん実行の順番の関係で意図したようになってくれない. それでsleepで時間調節を入れて一応解決. (もっとスマートにする方法があったら教えて!)

ファイル".devset"に以下を書き属性を実行可能にしておく. これをStartup Applicationsに入れとく.

#!/bin/sh

# set touchpad (middle button by two-finger tap, right by three-finger)

sleep 2 # wait some time to make it last at startup progs

synclient TapButton1=1

synclient TapButton2=2

synclient TapButton3=3

# once turn off all wireless devs

sleep 3 # wait some time to make it last at startup progs

rfkill block all

 

第7世代Core-i5のHyper Threading問題

http://gigazine.net/news/20170626-intel-skylake-kabylake-bug/

BIOS/UEFIの設定でOFFにせよということらしいがその設定部分が見当たらない.

Linuxでは起動時にコードを読ませて修正することができるらしく,

intel-microcodeというパッケージの最新版を入れてたぶん解決してると思われる.

https://launchpad.net/ubuntu/zesty/amd64/intel-microcode/3.20170511.1~ubuntu17.04.0

(このコードはディストリビューションのライブラリに依存しないバイナリなので多少バージョンが違ってもOK)

 

了 :-)

 

*書き忘れるところだった重要情報

この機種, キーボードはUS配列のみ(韓国も基本的に同じ), つまり日本仕様も敢えてJISキーボードになっていない. これは実は重要で, 韓国語IMEは往々にしてJIS配列に対応してない(Linuxでつかうibus-hangulとか)ので, JISキーボードでハングルIMEを使ってると@とか"とか:とか+とかの記号の位置が実際のキーと違ってややこしい. USキーボード配列だと英日韓のIMEを切り替えながら多国語文書を書くのにストレスがない!! その意味では韓国やアメリカでのPC購入は良い選択かも:-) (とくにアメリカはCPUが露骨に安いみたい)