2016/10/22(土) 天気 曇
好きな山歩きは計画的にできない. 雨男らしく, 予定すると何故か雨が降る. だからいつも気まぐれである.
以前, 昼前に出かけて頂上まで行けなかったネヨン山(930m), 高度のわりに道のりが長くて時間がかかる. ポハン市の北部にあるポギョンサ(宝鏡寺)の登山口から頂上のヒャンノボン(香炉峰)まで5km以上, 3〜4時間かかる. 渓谷をたどってたくさんの滝を見ながら登るコースと, 峰に登って稜線を辿るコースがある. 稜線にはヒャンノボンに至るまでに2つの峰, ムンスボン(文殊峰,628m)とサムジボン(三枝峰,710m)がある.
前夜に密かに決心を固め(大げさな..), 曇り空だが日中は雨は無さそうという天気予報を確認して朝6時に出発, 7時にポギョンサ駐車場に着いて登り始める.
とても頑張った感のある木...
はーと?
こういうので元気が出たりする(笑).
曇り空のせいか朝早いせいか全然人に会わない. 頂上までに遭遇したのは途中の橋の架替え工事現場のおじさんたちの他は2人, 2〜3時間山奥に入って人の顔を見ると嬉しいような怖いような...
滝についてはいっぱいあるので省略. 映画の撮影にも使われたらしい=> ネヨンサン, 滝で検索
昼前に頂上に到着! ヘリポートと標石があるだけ. ドンヘ(東海, 日本海の韓国名)海岸が望める.
頂上から帰りは稜線を辿る. 上の方は眺めが良い(あたりまえ)し紅葉が鮮やかで気分も軽い.
驚異のジャンプ力で飛びついてきたこいつは? カマドウマっぽいが見慣れない.
季節的にイレギュラーではないか?
こんなのも出現. 他にもいろいろ出会ったが省略.
道程が10kmを超えるとさすがに足が重くなる. エナジバー(ナッツとチョコの混ざったやつ)とミカンの助けを借りなければ足がつりそう...
ふとエネルギーの量が気になり足を止める. (休みたかっただけ) エナジバーのパッケージを見ると, 熱量が150kcalとか200kcalとか書いてある. 1 cal = 4.18 J. 私の体重と持ち物は約60kg. エナジバー1個は, この重量を200x1000x4.18/(60*9.8) = 1420 m持ち上げられるということか. 人体のエネルギー変換効率がどのくらいなのか知らないが, 仮に3割としたらこの山を登るのに2個くらいで足りる....と, そう言えばエナジバー2個ペロリと食べてしまったなぁ...などと妙になっとく.
下り道にムンスアム(文殊庵)というという山寺がある. 昼食の準備をしているらしく竈からの煙が香ばしい.
文殊庵なんだから文殊菩薩かと思ったらそうでもなく韓国では普通な釈迦三尊. もしかして両側が普賢&文殊菩薩?? ポギョンサ付属の山寺は文殊菩薩と普賢菩薩にちなんだムンスアム(文殊庵)とボヒョンアム(普賢庵)なんだと, ご飯をつくっていたおばちゃんが教えてくれた.
日本では「もんじゅ」がもうダメという話になっているが, そもそもどういうわけで菩薩の名前を原子炉につけたのだろう... ちなみに「常陽」も道元禅師の別名「承陽大師」を連想させる. 曹洞宗が高速炉開発を応援していた? 福井で地元だから?? 今は宗門は原子力反対らしいが, 反動だろうか? など取り留めもない疑問が浮かんでは流れてゆく.
突然視界が開け, 渓谷が一望. 長い登山道でここまでこういう風景が見えなかったのが不思議.
このあたりから, 登ってくるおばちゃんたちに○○峰まであとどのくらい? ○○庵はまだ遠いの? と度々聞かれるくらい人通りが多くなり, やがて麓のポギョンサに到着.
午後3時だから往復約8時間.
朝から気になっていた仮設舞台では何か賑やかに催しが開かれている.
舞を踊る女の人がいて, お葬式みたいな行列の人々がいて, お坊さんたちが歌う. 最後はナムアミダーブル(南無阿弥陀仏)の詠唱で終わり. あれ? ポギョンサって曹渓宗(禅宗)じゃなかったっけ? と尽きない疑問にはこだわらない...
この石塔は高麗時代初期の1023年に立てられたものとのこと. 慶尚北道文化財.
多くの寺でみるこの提灯, 花祭(ブッチョニムオシンナル=お釈迦様の来られた日)のものだが年中掛けられている.
必需品の味噌(テンジャン). 韓国の味噌は乾燥保存.
必需品のキムチ.
門前町を通って駐車場へ. 食堂街には積み上げられたかぼちゃが目立つ. かぼちゃの料理ってあんの? と声をかけると間髪入れず「ホバクジョン」(かぼちゃを入れたお好み焼きみたいなもの)と.
久しぶりの山歩きでした.