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以前, ノートPC(Linux)を買い替えたときにWindows VMをVMwareからQEMU-KVMに変更した. VMwareが有料の商用ソフト(個人利用などは無料)なのに対してKVMはLinuxのカーネルの機能に組み込まれていてフリー, それにVMware Workstation Playerはホスト型VMなのに対してQEMU-KVMはハイパーバイザーだというので性能も良いんだろうとの期待をしていたのだが, ちょっと苦労してインストールしてみたところ, GUIでのキー入力が何となく遅いという結果...
まあそれでもそれなりに使えていたのだが, 別のPCで使っているVMware Workstation Player (Linux上でWindwos VM)のWindowsが快適に使えるのに対してどうも...な気がしてきたので, 再びノートPCの方でVMwareのWindows VMを試してみた. すると, はっきりと体感速度の差がある. ホスト側とのファイル交換(samba経由, フォルダが開くときのタイムラグとか転送時間とか), GUIでのキー入力にしても, VMwareの方が速い.
とくにキー入力に関しては, QEMU-KVMでは(速くなるとウワサの)SPICEを使ってもキータッチと文字の表示の一瞬遅れがあってタイプミスが出やすく, 小さなストレスがだんだん蓄積する感じだった. (設定を最適化したらほんとはもっと速いのかも...) VMwareはそういうストレスがない. とくにGUI操作が多いWindowsのVMを使うのならば, たとえLinux上であってもKVMよりもVMwareの方に利がある感じがする. リソースの制約のあるノートPCでは, 微妙なパフォーマンスの差が作業効率に響く. VMware強し...
ということで, 一旦はQEMU-KVMに変えたのですが, 再びVMware Workstation Player (ver. 14.1.3)に戻してしまいました. m(. .)m
問題は, 一旦VMwareのVMをQEMU-KVMに変更してしまうと, その過程でレジストリをいじったりいろいろしているので, それをもとに戻すのはたいへん. 結局, 使っているVMの再変換はあきらめ, 別のPCで使っていたWin10のVMをコピーして, WindowsやMS Officeなどのライセンス登録を一度削除し, QEMU-KVMのWindowsで使っていたのを再登録ということで一件落着. 予めQEMU-KVMのWindowsの方でライセンス登録を削除しておくことが必要.
ということで, Linuxホスト上でのVMware Workstation PlayerのQEMU-KVMに対する利点は:
- GUIでWindows VMを使うかぎり, 作業効率にひびくレスポンスはこっちが上.
- 仮想ディスクが分割できる(<2GB以下など)のでファイルサイズに制限のあるファイルシステム(FATのUSBとか)にもバックアップできる.
- 仮想ディスクの指定サイズに対して空き領域の分だけ圧縮するツールがあり(Compact Disk), ホスト上での仮想ディスクサイズを節約できる.
- とにかくインストールも使うのも簡単.
- オープンソース, 仕事でもなんでも無料.
- もっといろんなことができる. GUIと接続・切り離し自由自在, GUIなしのサーバなど.
- ハイパーバイザだからきっと中身のパフォーマンスはいいのでしょう.
- 設定を最適化したらホントはもっと速いのかも...
VirtualBoxという選択肢には手を出していないが, QEMU-KVMが負けるなら期待薄な気もする...
ググってもQEMU-KVMはLinux限定であることもあり, 他のVMツールとの比較はあまり書かれていないみたい.
追記:
最近のブログ記事で, KVM上のWindowsのパフォーマンスを測った話があった.
VMと別のハードとのWindowsのエクスペリエンスインデックスの比較で, 厳密な比較ではないが, ディスクとグラフィクスに難がありそうという話.